日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

(58) あらばしり6 分断、が気になる

自立生活の現場はコロナに強い気がする。クラスターが起きたとは聞かない。東京といえば日本一汚染された地域で、この実感であれば、自立生活は感染症に強いかもしれない。 ・・というのはウソです。なんとかバイアスだ。目立たないだけで発生しているかもし…

(59) あらばしり5 「元メンバー」の回想

ある入所施設の会議を聴く機会があった。「虐待防止」に関わるもので、外部の委員が職員に助言する。ただ「防止」するだけでなく組織を改革しようとする前向きなものだ。かつて自分も「改革される側」だった。カタい会議の最中に「思い出しニヤニヤ」が出な…

(57) 沖縄日記(14)読書『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』樋口耕太郎

初めての沖縄。「美ら海水族館よかったよ〜」から始まって、離島にも行って、地元の知り合いができて、本土のことを「内地」と呼びだすと立派な「沖縄かぶれ」だ。 異国趣味、お客さんとして、キレイなところだけを見て憧れる。そんな自分の感性に酔っている…

(56) 沖縄日記(13) たこの木「原理主義」1.5/2

「進撃の巨人」読みましたか?面白いですよね。序盤のハイライト、特大の裏切りが明かされる場面。読者も知らなかった秘密に、主人公たちも僕も絶望した。そ のライナーとベルトルトの告白は、危機の合間の弛緩した時間の、空は晴れ、日のまだ高い、何もかも…

(55) 沖縄日記(12) たこの木「原理主義」1/2

沖縄の平和運動を嫌う人、と話して分かったこと。「サヨク的なもの」が嫌い。沖縄戦の歴史や、基地で大変なことも分かっている。それを上回ってサヨク・親中はムリです。単純。 対する運動側の、とくに外から来ている人たちも単純に見える。「◯◯ぽいものは支…

(54) 沖縄日記(11)言い方に気をつけよう

「原爆の日」が近づくと思うこと。「投下は正しかった」「(本土決戦した場合の)100万人を救った」と言わないでくれないか。代わりに、例えば「仕方がなかった」を使う。「あの時期、あの状況下では」やむを得なかった、と前提をおいてもいい。 もちろん「…

(53) 沖縄日記(10) ユーチューブ現代史

これまでのあらすじ。10回続いたので振り返ってみる。沖縄には15年近く毎年通い、友人もいて好きな土地だ。7,8年前に、身近な人(A氏とする)から「反基地運動」を否定する意見を聞いた。尊敬していた人で、「この人がそれ言うの」と動揺した。それまで、運…

(52) 沖縄日記(9) メルカリ葬

メルカリで「鹿の角」が売れた。バラで2本、計5千円。10年間友人にもらった。お父さんの趣味が「狩猟」で、おいしいイノシシ肉を頂くこともあった。友人とは、距離が離れて会えなくなった。鹿角は「思い出の品」となり簡単に処分できない。まして売って金に…

(51) 沖縄日記(8) 辺野古Q&A(2)

那覇空港の近くに「海軍壕跡」がある。レンタカーのナビに出たので、思い立って寄ってみた。「県民に対し 後生特別の御高配を賜らんことを」有名な電文がここから送られた。戦後、沖縄戦の遺族に手厚い「援護法」改正を後押ししたと言われる。一方で「犠牲を…

(45) 「支援のてまえで」リレー投稿 こんな本をつくりたい

できたての本が届くと、すぐ包みなおして実家に送ったという。横田さん、はしゃいじゃって。私は誰にも知らせてない。出版社の案内を見た友人が連絡をくれた。「書いたのは少しだし、オマケみたいなものだから」と興味なさげに答えた。 実際は、暇さえあれば…

(50) 沖縄日記(7) 辺野古Q&A

一年前に「抗議船」に乗せてもらった。ふらっと入り込んでくる人間は警戒されると思った。反基地運動の「最前線」だ。でも所属どころか名前すら聞かれなかった。そこに興味をそそられた。抗議船では「観光客扱い」だったふがいなさもあり、次はカヌーで抗議…

(49) あらばしり(4) 答え合わせ

一昨年の12月30日に事故を起こして1ヶ月入院していた。翌日は大晦日で、朝からCILの介助が入っていた。折れたアゴのまま最初に電話したのは、そこのコーディネーターだった。年越しの泊まり勤務は、利用者が旅行に行くので休みになった。なので「大家さん」…

(48) あらばしり3 自立生活運動と労働運動(という高尚な話にはならなかった)

食べ物が大きすぎると口が閉じられないものらしい。大福モチが口から半分はみ出たまま、動かない。電動車いすの男を、体操服の2人の中学生が見つめている。 「何かやばそう。息してるかな?でも、食べさせて、と頼まれたし。どうしよう」そう顔で訴えている…

(47) あらばしり(2) まだ遅くはない

裁判が始まった。事件から3年半経って「事件が風化している」という声も聞く。しかし、犯人の手紙を中心に事件を掘り下げた本『開けられたパンドラの箱』を出した篠田さんのように、被告と地道なやり取りを続けている人もいる。さらに、気分が良くない話では…

ヘルパー・リレー投稿★ケガして1年経ちました。その節はありがとうございました★

GMK(顔面滅茶苦茶)のアラキです。親しくないヘルパーとの交代は少し緊張しますよね。話したことはないけど顔と名前は知っている人。利用者さんの部屋を「いつもより」しっかり片付けて、あいさつする。相手も敬語で返します。 「あの顔面滅茶苦茶の、アラ…

(46) あらばしり(1) 損切り映画

書くのは少し恥ずかしい。アイドルの映画を観た。好きなわけではない。近年アイドルグループのメンバー数も全体数もどんどん増殖して総人口の2割くらいになって日本が滅びるんじゃないかと、むしろ心配している。 でも観たのは、たとえば「社会現象」として…

(44) Mさんの第3回自立生活に向けて!!〜第5回 燃え尽きない

目の焦点が定まらない。無表情。聞こえてない。夢遊病のようにボーッとしたまま、近くの人の腕をつかんだ。地域生活の「危機」が始まった夏ごろに、生活記録ノートに増えていた記載だ。 PTSD・トラウマ体験の後遺症について本を読んでみると、それは「解離状…

あいちトリエンナーレ

名駅にバスが着く。歩いてネットカフェ『亜熱帯』に行って仮眠をとる。これでやっと中年が一日動けるようになる。県立美術館に向かい、列に並ぶ。気の早い人が30人ほどいた。今日再開される「表現の不自由展」の抽選方法が発表される。「3時間半後に来てくだ…

(43) 沖縄日記(6)

来年3月の7、8の土日に沖縄・伊江島にて学習会があります。参加しませんか?近くなったら再告知します。土地返還闘争のリーダー、阿波根昌鴻さんの遺志を継ぐ人たちが主催です。 阿波根さんたちの運動で、島の半分を占めていた軍用地は一部返還されたが、島…

(42) 『天気の子』感想

昼すぎに国会近くを歩いていた。恒例といえる官邸前での抗議活動。アメリカ国旗が見える。大戦中の空襲被害の補償を求めるものだった。夕方のニュースで、小泉議員の結婚報告を伝えていた。取材映像の時刻は午後1時すぎ。 高齢の、おそらくは空襲の生存者や…

(41) 沖縄日記(5)

『団結道場』は、伊江島の反基地運動の拠点で、運動のシンボルとして維持されている。最近改修がされた。「米軍に告ぐ」から始まる抗議文も、リフォーム工事のときにはプロジェクターで映し出して正確に元の文体を再現した。 友人と訪ねた時、地元の議員さん…

(40)沖縄日記(4)

元従軍慰安婦の方たちは気の毒だと思う。日本人に利用され痛めつけられ、今度は「子や孫たちの世代に」利用されている。と、言ったら彼女たちはどんな顔をするだろうか。 ニュースを見ながら、理解が追いつかなくなると、こんなことを考えて、突き放してしま…

(39) 沖縄日記(3)

前回、本の題名が違っていた。正しくは『「普天間」交渉秘録』だった。歴史に触れるなら出典が大事だとわかっている。でも、チェックするのは大変で、何より底が浅いのがバレる。ということもあるので、いざとなったら逃げやすいから「日記」とゆるい感じに…

(38) 沖縄日記(2)

「村長の話が良かったね。あんな話ができる人だと思わなかった」 3月に沖縄・伊江島での平和運動の学習会に参加した。「美ら海水族館」に行ったことがある方なら、海の方を見ると正面に見えていた島です。山も丘もないのっぺりした島の中央に険しい岩山が突…

(37) 沖縄日記(1)

とっさに、うまいこと言えない。大阪にいたころ「そこ、ツッコんでよ」と言われ続けた。文化の違いだと思っていたけど、関西を離れてもアドリブがきかない。うまいこと言えた(自己採点)のは数年に一度くらいのことなのでよく覚えている。 事故した時に母に電…

(36) 兄の呪い後編(3/3)

「兄」は神様の儀式担当で四角い道具をささげ持っている。祭壇を置けば「祝」に、祈りを口にすれば「呪」になる。面白い。 ついでに「支援」のシは「つっかえ棒」の形で、「ささえ」もするが「つかえ」にもなって支障をきたす。つっかえると二手に分かれて「…

(35) 兄の呪い中編(2/3)

見舞いに行く。大きな「病院」は、大学のキャンパスに似ていた。街路樹の葉は落ちて寒い季節だった。誰にも会わずに「病室」に着いた。姉も来ていた。部屋が暗くて表情が分からない。両足には力が入らず感覚もないようだ。 「ほどいて。足がからまってる」 …

(33) 兄の呪い 前編(1/3)

溺れて死ぬ。あれほど苦しい死に方はない。そう思っていた。 10年ほど前に沖縄の海で死にかけた。砂浜だけど急に深くなる。そして波が高かった。遠くの海を台風が通過していた。マヒのあるSさんを介助しながら遊んでいて、波で深みに運ばれた。手を離すと沈…

(32) 多摩スケッチ「飯能アルプス」

はんのう。心地いい響き。東京に移住して、最初の「最寄り駅」が飯能だった。 「飯能は東京じゃない」そうだけど、青梅市の山あいに住んでいて、100m先の成木川を渡れば埼玉県飯能市だ。調整区域で家は増えない。かわりに介護施設や精神科病院が建つ。静かな…

フィットする支援をめざす会 「Yさんに会えた」〜 八尾ゆうとおん交流「合宿」の報告

2日目の朝。B型と生活介護「ゆうとおんはーと」2階の作業場でYさんを待つ。 多摩の仕事ではあまり出会わない、清潔で広くて明るい空間だ。人気のない館内に大きなチャイムが響く。来たようだ。1階の玄関を通ると全体に音で知らせる。気のせいか畑さんが渋い…