日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

たこの木通信の原稿

(65) あらばしり12 別荘を買う自分を空想する

・・という「趣味」を見つけた。今月に入って、秩父の方の山の上の物件を見つけて、下見に内見と進んでいる。買わなくても、いろいろ想像していると楽しい。 景気のいい時代の別荘地で、今は崩れかけている空き家も多い。自分に手が届く安い物件なので問題も…

(64) あらばしり11 『たこの木連続講座Vol.1』もうすぐYouTube見逃し配信!

『支援のてまえで』に、たこの木の「追っかけ」という視点でコラムを書きました。今、たこの木に小さいけど変化が起きていて、「追っかけ」的に大変興味深い。続きを通信に載せるつもりでしたが、通信発行直前の岩橋さんの疲れた顔を見て今回は止めます。た…

(63) あらばしり10 ネットフリックス

自分と歳の近い利用者さんが「幼い女の子」が好きなんですね。おっさんなんですけどね。ローティーンアイドルの切り抜きをしたり、街なかのポスターを愛でたり。あまり性的な感じはなくて「自分を傷つけない存在」なのかな、などと分析してました。支援者ら…

(62) あらばしり9『トラウマ・インフォームド・ケア』、勝手に改め『誰もが安全を守られるケア』

先月のある日、昼のオンライン講演と、夜の会議、分野の違う集まりで同じキーワードを聞いた。『トラウマ・インフォームド・ケア』という。気に入って、それから見聞きするあらゆる現象に当てはめて遊んでいる。 「困難ケース」の「困難」の半分以上は、自分…

(61) あらばしり8 読書『魂の殺人親は子どもに何をしたか』

まず、人の脳で起きてることを素人が扱う危うさ。より良い「仮説」があるだけで、心はブラックボックスのままだ。 昔、ユングの本を友達に借りた。面白かった。きっと治療の効果は出たと思う。治療目的ならいいが「心を理解する」目的には使えない。何とでも…

(60) あらばしり7 事務所を誰が掃除するのか

河原さんの記事が面白かった。結論から書かせていただく。先輩Yさんが事務所の衛生と秩序を保つために立ち上がり腰の重い代表を追い込むのがいい。 多摩の丘の下った川べりに棲まう業界の「仙人」であっても、掃除の分野では勝ち目がない。その過程でYさんは…

(58) あらばしり6 分断、が気になる

自立生活の現場はコロナに強い気がする。クラスターが起きたとは聞かない。東京といえば日本一汚染された地域で、この実感であれば、自立生活は感染症に強いかもしれない。 ・・というのはウソです。なんとかバイアスだ。目立たないだけで発生しているかもし…

(57) 沖縄日記(14)読書『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』樋口耕太郎

初めての沖縄。「美ら海水族館よかったよ〜」から始まって、離島にも行って、地元の知り合いができて、本土のことを「内地」と呼びだすと立派な「沖縄かぶれ」だ。 異国趣味、お客さんとして、キレイなところだけを見て憧れる。そんな自分の感性に酔っている…

(56) 沖縄日記(13) たこの木「原理主義」1.5/2

「進撃の巨人」読みましたか?面白いですよね。序盤のハイライト、特大の裏切りが明かされる場面。読者も知らなかった秘密に、主人公たちも僕も絶望した。そ のライナーとベルトルトの告白は、危機の合間の弛緩した時間の、空は晴れ、日のまだ高い、何もかも…

(55) 沖縄日記(12) たこの木「原理主義」1/2

沖縄の平和運動を嫌う人、と話して分かったこと。「サヨク的なもの」が嫌い。沖縄戦の歴史や、基地で大変なことも分かっている。それを上回ってサヨク・親中はムリです。単純。 対する運動側の、とくに外から来ている人たちも単純に見える。「◯◯ぽいものは支…

(54) 沖縄日記(11)言い方に気をつけよう

「原爆の日」が近づくと思うこと。「投下は正しかった」「(本土決戦した場合の)100万人を救った」と言わないでくれないか。代わりに、例えば「仕方がなかった」を使う。「あの時期、あの状況下では」やむを得なかった、と前提をおいてもいい。 もちろん「…

(53) 沖縄日記(10) ユーチューブ現代史

これまでのあらすじ。10回続いたので振り返ってみる。沖縄には15年近く毎年通い、友人もいて好きな土地だ。7,8年前に、身近な人(A氏とする)から「反基地運動」を否定する意見を聞いた。尊敬していた人で、「この人がそれ言うの」と動揺した。それまで、運…

(52) 沖縄日記(9) メルカリ葬

メルカリで「鹿の角」が売れた。バラで2本、計5千円。10年間友人にもらった。お父さんの趣味が「狩猟」で、おいしいイノシシ肉を頂くこともあった。友人とは、距離が離れて会えなくなった。鹿角は「思い出の品」となり簡単に処分できない。まして売って金に…

(51) 沖縄日記(8) 辺野古Q&A(2)

那覇空港の近くに「海軍壕跡」がある。レンタカーのナビに出たので、思い立って寄ってみた。「県民に対し 後生特別の御高配を賜らんことを」有名な電文がここから送られた。戦後、沖縄戦の遺族に手厚い「援護法」改正を後押ししたと言われる。一方で「犠牲を…

(45) 「支援のてまえで」リレー投稿 こんな本をつくりたい

できたての本が届くと、すぐ包みなおして実家に送ったという。横田さん、はしゃいじゃって。私は誰にも知らせてない。出版社の案内を見た友人が連絡をくれた。「書いたのは少しだし、オマケみたいなものだから」と興味なさげに答えた。 実際は、暇さえあれば…

(50) 沖縄日記(7) 辺野古Q&A

一年前に「抗議船」に乗せてもらった。ふらっと入り込んでくる人間は警戒されると思った。反基地運動の「最前線」だ。でも所属どころか名前すら聞かれなかった。そこに興味をそそられた。抗議船では「観光客扱い」だったふがいなさもあり、次はカヌーで抗議…

(49) あらばしり(4) 答え合わせ

一昨年の12月30日に事故を起こして1ヶ月入院していた。翌日は大晦日で、朝からCILの介助が入っていた。折れたアゴのまま最初に電話したのは、そこのコーディネーターだった。年越しの泊まり勤務は、利用者が旅行に行くので休みになった。なので「大家さん」…

(48) あらばしり3 自立生活運動と労働運動(という高尚な話にはならなかった)

食べ物が大きすぎると口が閉じられないものらしい。大福モチが口から半分はみ出たまま、動かない。電動車いすの男を、体操服の2人の中学生が見つめている。 「何かやばそう。息してるかな?でも、食べさせて、と頼まれたし。どうしよう」そう顔で訴えている…

(47) あらばしり(2) まだ遅くはない

裁判が始まった。事件から3年半経って「事件が風化している」という声も聞く。しかし、犯人の手紙を中心に事件を掘り下げた本『開けられたパンドラの箱』を出した篠田さんのように、被告と地道なやり取りを続けている人もいる。さらに、気分が良くない話では…

(46) あらばしり(1) 損切り映画

書くのは少し恥ずかしい。アイドルの映画を観た。好きなわけではない。近年アイドルグループのメンバー数も全体数もどんどん増殖して総人口の2割くらいになって日本が滅びるんじゃないかと、むしろ心配している。 でも観たのは、たとえば「社会現象」として…

(44) Mさんの第3回自立生活に向けて!!〜第5回 燃え尽きない

目の焦点が定まらない。無表情。聞こえてない。夢遊病のようにボーッとしたまま、近くの人の腕をつかんだ。地域生活の「危機」が始まった夏ごろに、生活記録ノートに増えていた記載だ。 PTSD・トラウマ体験の後遺症について本を読んでみると、それは「解離状…

(43) 沖縄日記(6)

来年3月の7、8の土日に沖縄・伊江島にて学習会があります。参加しませんか?近くなったら再告知します。土地返還闘争のリーダー、阿波根昌鴻さんの遺志を継ぐ人たちが主催です。 阿波根さんたちの運動で、島の半分を占めていた軍用地は一部返還されたが、島…

(42) 『天気の子』感想

昼すぎに国会近くを歩いていた。恒例といえる官邸前での抗議活動。アメリカ国旗が見える。大戦中の空襲被害の補償を求めるものだった。夕方のニュースで、小泉議員の結婚報告を伝えていた。取材映像の時刻は午後1時すぎ。 高齢の、おそらくは空襲の生存者や…

(41) 沖縄日記(5)

『団結道場』は、伊江島の反基地運動の拠点で、運動のシンボルとして維持されている。最近改修がされた。「米軍に告ぐ」から始まる抗議文も、リフォーム工事のときにはプロジェクターで映し出して正確に元の文体を再現した。 友人と訪ねた時、地元の議員さん…

(40)沖縄日記(4)

元従軍慰安婦の方たちは気の毒だと思う。日本人に利用され痛めつけられ、今度は「子や孫たちの世代に」利用されている。と、言ったら彼女たちはどんな顔をするだろうか。 ニュースを見ながら、理解が追いつかなくなると、こんなことを考えて、突き放してしま…

(39) 沖縄日記(3)

前回、本の題名が違っていた。正しくは『「普天間」交渉秘録』だった。歴史に触れるなら出典が大事だとわかっている。でも、チェックするのは大変で、何より底が浅いのがバレる。ということもあるので、いざとなったら逃げやすいから「日記」とゆるい感じに…

(38) 沖縄日記(2)

「村長の話が良かったね。あんな話ができる人だと思わなかった」 3月に沖縄・伊江島での平和運動の学習会に参加した。「美ら海水族館」に行ったことがある方なら、海の方を見ると正面に見えていた島です。山も丘もないのっぺりした島の中央に険しい岩山が突…

(37) 沖縄日記(1)

とっさに、うまいこと言えない。大阪にいたころ「そこ、ツッコんでよ」と言われ続けた。文化の違いだと思っていたけど、関西を離れてもアドリブがきかない。うまいこと言えた(自己採点)のは数年に一度くらいのことなのでよく覚えている。 事故した時に母に電…

(36) 兄の呪い後編(3/3)

「兄」は神様の儀式担当で四角い道具をささげ持っている。祭壇を置けば「祝」に、祈りを口にすれば「呪」になる。面白い。 ついでに「支援」のシは「つっかえ棒」の形で、「ささえ」もするが「つかえ」にもなって支障をきたす。つっかえると二手に分かれて「…

(35) 兄の呪い中編(2/3)

見舞いに行く。大きな「病院」は、大学のキャンパスに似ていた。街路樹の葉は落ちて寒い季節だった。誰にも会わずに「病室」に着いた。姉も来ていた。部屋が暗くて表情が分からない。両足には力が入らず感覚もないようだ。 「ほどいて。足がからまってる」 …