日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

介助者を6年やってみて(3)「誤解」

 ある会議で「運転中の給付」の話題になった。今年の法改正で緩和されたそうだ。「運転中は介護できないから無報酬」という、頑なな厚労省に対しての運動が実った。ただし、原則「利用者所有の車」についてなので、身近な所では関係なさそうだ。それにしても、当事者の生活と「実態」に合わない基準をずっと残していたのはなぜなのか。もしかして、「グレーな運用」を強いておいて、交渉のときに「おたくのヘルパーさん車に乗せてるってね」と揺さぶるためだったりして。

 

 それも無いことはないだろうけど、初めのころに制度を「悪用」した人たちがいたようだ。

 介護保険が始まると、身体介護で通院が認められ、タクシー会社が運転手に2級資格を取らせ、身体介護(1時間4000円)を使って老人を運賃無料で通院させるということが起きました。この利用者には歩けるくらいの軽度の老人も多かった。この結果、厚労省老健局は運転中は介護を行ってないので介護サービスの対象でないことを決め通知します。                       【全国障害者介護制度情報より】

 介護保険以前の、福祉職といえば「ボランティア精神」の時代の人たちと、大金が動くようになって入ってきた「ビジネスに強い」人たちがいる。どちらも得手不得手があって良いとか悪いとかはない。ビジネスの人の中の「ギリギリを攻める」勢力が「悪用」して、行政がルールを厳しく複雑に変えてしまう。ビジネスの人は、損切りしてさっさと撤退して跡形もない。

 

 それが、いつのまにか「運動VS行政」や「市民VS権力」みたいになって、お互い消耗しているように見えることがある。もちろん行政や権力側も、公務員がやるより民間に最低限の費用で好きにやらせたほうが安く済むので、少々の不正は織り込み済みだろう。締め付ける口実に使っている気もする。まあ行政の人を気の毒に思うこともある。悪どい連中から福祉の財源を守ろうとしていたら、プラカードを持った人たちに囲まれて怒られる。

 

 ガンダム警察が怖いので書こうか迷った。怖いけど書きます。ガンダムに、上の話と似た「対立の虚しさ・哀しさ」を感じました。30年くらい勘違いしていましたが、ガンダムは「宇宙戦争」というスケールでもなく「太陽系」でもなく「地球系戦争」なんですね。月の軌道の中だけ。戦っている勢力の双方に同じ兵器メーカーがモビルスーツを卸していたりする。銃やミサイルとかなら現代でもあるかもしれないけど最新鋭のモビルスーツを両方に売ってる。

 

 ガンダムは「正義VS悪の単純な構図を否定した」と言われるけど、モビルスーツを作っている軍需産業が一番悪い。対立が続けば永遠に儲かる。かっこいいセリフを吐いて華々しく散っていく主人公たち、しっかり「生産計画」に組み込まれてる感じがして冷めてしまった(この辺の複雑な事情の設定もあるようなので個人の印象です)。逆に現代の究極のリアリティかもしれない。

 

 「善意による誤解」のパターンもあると思う。「濃厚接触者の定義」昨年の春ごろ、調べるたびに「ゆるく」なっていって最後はこれになった。【マスク無しで1.5m以内に15分以上いた場合】「医療福祉の現場に配慮してくれた!」と感じた。でも「こんなザル基準にして、検査&追跡する気がないんだな」と言う人もいる。【密室・車内に長時間】という基準と組み合わせると、家庭や店内は補足しつつ介護現場などは外れるように作られてる。真相はわからないけど。

 

 施設と地域生活支援、グループホームと自立生活、支援者と親、ボランティア寄りの介助者と「仕事で来てる」介助者、、たこの木代表とスタッフ(笑)、、架空の敵と戦わされている、なんて感じることもある。シロクロ付けた方が見やすいので「議論の手段」として敵認定するのはあると思う。でも、それでお互い消耗して、本当の原因やワルが儲かってウハウハしていると思うともったいないと思う。