日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

(64) あらばしり11 『たこの木連続講座Vol.1』もうすぐYouTube見逃し配信!

 『支援のてまえで』に、たこの木の「追っかけ」という視点でコラムを書きました。今、たこの木に小さいけど変化が起きていて、「追っかけ」的に大変興味深い。続きを通信に載せるつもりでしたが、通信発行直前の岩橋さんの疲れた顔を見て今回は止めます。たこの木にプラスになるアイデアなんですが、結局岩橋さんについてアレコレ突っつく形になるので、書き方を少し模索してから。

コラムで書いたこと。「岩橋さんとツイッター」の組み合わせが、地域や分野も異なる人たちを惹きつけたんじゃないか。私もそれで釣られました。先月から始まった「たこの木連続講座」の第一回目はオンライン開催で、私はZoomなど技術面を担当しました。

初めての事が多く岩橋さんに相談すると「技術はシロウトだから」と、すーっと離れていく。各種ネットサービスを使い分けて発信してきての、シロウトはないと思うんだけど。ところで岩橋さんのメールソフトはよく壊れる。持ち主のコンディションに合わせて「ちょうどいい時」に、メールが送れなくなったり開けなくなっているように見える。「巻き込まれる」関係者は「ソフトの不具合なら仕方がない」となる。意図的では無くて、実際に調子が悪そうだ。

やっぱりシロウトじゃない。壊れかけのソフトを使うことで「人間の都合」に機械を従わせている。自分はパソコンに少し詳しいけど、全く及ばない。「IT検定」には受からないけど、IT「道」というのがあれば師範とか名人クラスだ(半分皮肉ですが、半分は率直にすごい)。

3月にYouTube「たこの木チャンネル」ができました。今は「たこの木連続講座」の録画を置く場所になっています。ツイッターに続いて、新しいつながりを生んでくれることを期待してます。

第一回の見どころを紹介します。ゲスト講師は、児童精神科医の吉川徹さんと、渡邉琢さん。安定の「琢さん節」に磨きがかかって面白かった。「早口ですみません」と断ってテンポよく話す吉川さんと、訥々と語る琢さん。自動字幕の「UDトーク」というアプリに聞かせると、意外にも吉川さんの読み取り精度が高く、琢さんは全然だった。音声認識AIは「関西の発音」の学習が足りてないようだ。

「我らが」琢さんなので改めての紹介は省きます。吉川さんが来てくれたのはちょっとした「事件」でした。普通は交わらない組み合わせです。ツイッターで岩橋さんとつながっていたそうですが「交流」というものは無く、実行委員会での「接点の少ない人を呼ぶと思いがけない【化学反応】が起きるかも」という半ば「賭け」で声をかけました。

崩壊寸前のMさんの現場の「何かにすがりたい」、空気を読む余裕のなさで実現した企画でした。吉川さんは専門家の視点からケア現場への期待と「もどかしさ」を率直にぶつけていました。特に映画「道草」の支援への批判では立場の違いが鮮明で、福祉関係の参加者から「やっぱり医療・専門家とは超えられない溝がある」という雰囲気が出ていました。まあまあ「アウェイ」な状況の中で、吉川さんは批判的な指摘にも一つ一つていねいに答えていました。「懐が広い」というか本当にすごい人が来てくれたと思いました。

自分が愛知県で働いていたとき、吉川さんのいる愛知県コロニーの児童精神科を頂点とする「療育システム」があって(まあ個人の印象です)、若い当事者は多かれ少なかれそこを通ってきていました。家族から何度か耳にしたのが「小さい頃から学校出るまでは割と(療育的なものが)手厚いのに、その後何もなくなる。せっかく身につけたものを忘れていく」

苦心して整えて成果もでていたからこそ、主に成人後の現場へのもどかしさがあるのでは。TEACCHプログラムの「一生療育・社会でも療育」と似たものがベースにあって、大人になると「道草」のヘルパーみたいな人間味オンリーの支援になって、築き上げたものがリセットされる。違う、けど理解できそうだ。「道草」と今回の企画が、超えられない溝に「橋」をかけたんじゃないか。まだ沈下橋かな。