日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

(28) 多摩スケッチ「続・吉祥寺」

アマゾン・プライムばかり観ている。昔は、レンタル屋の名作棚を探したり、DVD宅配でマニアックな映画を借りていた。今はアマゾンのお勧めにしたがって漫然と観る。背伸びしてマニアックな作品を観ていれば、歳を重ねれば楽しめるようになると思ったけど、そうはならなかった。

居酒屋を訪ねる番組が好きで、行ってみたいと思うけど、そのために電車に乗る気にはならない。井ノ頭公園の「いせや」がいい雰囲気だった。立ち飲み席の隣が信号待ちの渋滞で、背中から排ガスに包まれる立地については、上手に編集されていた。

ある曜日は日中の短い空き時間があって、いつもは図書館で時間をつぶしていた。すこし移動を頑張れば行けるんじゃないか。前の日は、期待と軽い罪悪感で落ち着かない。泊まり明けで昼から飲む。後の予定が何かは明言をさけます。

この春、大学に入学したばかりの娘の様子を見に来た話好きのお父さんが相手してくれた。奢って頂いた。最高の昼休み。老舗の「怖さ」も味わう。注文が減ると強制ラストオーダーとなる。店員が消しゴムで消して、お父さんに伝票を移した。会計で女将的な方に「自分で消したのか」と疑われた。

別の週末に寄るとすごい行列だった。平日昼のだるくて幸せな雰囲気は無さそうで、入らなかった。あれは夢だったかと思う。

月曜日の夜は、利用者宅でNHKを観ることになっている。訪問前から、クロ現の「アラフォー・クライシス2」が気になる。シングル中年男の漠然とした不安。それに寄り添うような番組なら、少し甘えさせて頂きたい。「婚活にAIを活用する自治体」が番組の締めくくりだった。AI悪くない。うちの姉も通常出会わない組み合わせで一緒になって幸せそうにしてる。でも甘えたら突き放された。

姿は見えないけど多いはず。元気のないやつも多いだろう。気楽で、まだ息してる自分がやらないと。と意気込んで前回書こうとした。全然書けなくて途中のまま出した。文章力がない以上に、一文書くたびに体力がそがれる。思ったよりも傷は深くて触れられないのかと思う。

でも、不安がなかった時期なんてない。半分は「生存・生殖の危機」かもしれない。でも半分はヒマだから考えてしまう。ようかんの整理券をもらって店が開くまでに吉祥寺美術館に寄った。デザイナーの企画展。作品はともかく、作者の「この街に根付いて頑張る」という文章を読んで、初めて都会に出てきたころを思い出す。

大阪で、その頃はブルースの「憂歌団」が好きで、汗を流して働いてボヤきながらもささやかな幸せを、みたいな歌。そう憧れていた生活そのままに今やっている。街を走り回って、こんな仕事でもなけりゃ出会わない人たちの暮らしに入りこんで一緒に悩んで、昼から一杯やって・・でもこの歳で、家族はふつうにいる想定だったんだけど。