日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

突然ですがパンテラ(2)

忘れられないのはステージが始まる前の「事件」だった。定刻になってもなかなか始まらない。30分遅れで始まって「定刻」に終わってアンコールもなかった。何かの記事で「オレたちはパッとやってパッと帰るのが好きなんだ」とメンバーが言っていた。ひどいな。(バカな日本語訳ですこし気が晴れるような)

幕の裏からドラムが聞こえてくる(今からリハーサルかよ)。2つ右に座っていた太った白人のおっさんが興奮しまくっていた。立ち上がって、ファッキンなんとか!ファッキン○×○×!ファッキュー!身を乗り出してわめくうちに、すべって前に落っこちた。

大阪厚生年金会館の3階席というのは「絶壁」なんです。両手をつき出したままダイブして、空中で半回転して2つ前の席の背もたれに後頭部から刺さった。2つ前というと元の足元よりかなり低い。全身がけいれんし始めた。巨体の手足をバタバタと振り回す。係員が来て体を抑え、4,5人ががりで抱えて運んでいった。

「事件」で3階席左半分は殺伐とした空気になった。そこで幕が開き、異様なテンションのまま大いに盛り上がった。1曲目→

聴かないほうがいいかも。当時は激しすぎて受けつけなかった。ウギャアアアアアアーーーーーーーーーッッ!ドコドコドコドコ!!でも後半のギターソロといい名曲じゃないのこれ。

運ばれたおじさんと反対側で、仲間の男二人に守られるように座っていた女の子が、ぼくにとってのもう一つの事件だった。「私こわいわ」という感じで静かに座っていて「落下事件」が起きてさらにうつむいていた。

開演して爆音が鳴り響く中、「あの子大丈夫かな」と心配になった。見てみると、スイッチONになったみたいで猛烈に首を振っていた。言葉にならないようなことを叫んでいた。ぼくらも見よう見まねで何かやってみるけど、あれは疲れる。終盤の彼女は、疲れてきた両側の男の「首を抱えて」それを振り回していた。

あれ以上のライブはないなーという自慢です。その後もボーカルのフィリップ・アンセルモがドラッグで心停止になって復活したとか、ギターのダイムバック・ダレルがライブ中に観客にピストルで撃たれて亡くなったとか、過激なニュースが入ってきた。ダレルさんは、見た目も良いし、クラシックギターの指づかいをするとか繊細なところもあって気に入っていた。残念だった。

こういう激しいロックバンドのファンは礼儀正しい人が多い。過激なかっこうをした人が道をゆずってくれたり、ライブ後に「おつかれさまー」と声をかけてくれた。バンドメンバーも真面目な人が多いらしい。

音は激しいけど「歌ごころ」のあるバンドでした。ほかのただ激しいだけのとはちがう「温かみ」というか。ちょっと無理があるか・・