日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

年越しはさだまさし


元旦午前4時。金山の近くのファミレスにいる。相方も疲れ果ててる。

何か言いたそうだ。・・よく分からない。イライラしながら聞いてみる。「お互い疲れてるから、はっきり言ってくれないと分からんて。何を焦ってるの?」いい加減にしてくれ、と言ったような気もする。

・・口頭の文字盤で、一文字づつ解読するのに2,3分・・「ナ・ン・ニ・モ」

大晦日の夕方。「31日の16時出発」のつもりでいたらしいけど、こっちは当直明けなんで、それには付き合えない。ちょっと寝て1時間遅刻して合流する。

介助は要るけど「ボランティアではなく対等な友人だ」と言いたいけど、人は「荒木をこき使ってて依存してる」と言うし、自立の妨げになるから「荒木はダメな福祉職だ」と思われてるかもしれない。でも、お互い利用しあっているから「対等」というのは間違ってないと思う。面倒だけど、こんな刺激的な年越しはない。
さだまさしのカウントダウン・コンサートを観に行く。名古屋国際会議場で20時に開演して24時すぎにコンサートが終わり、同じ場所でNHKの番組収録をして3時くらいに終わる。ファンクラブ向けの公演のように、長丁場の大半は「手下」にやらせるんだろうと思っていた。

1時間の休憩を引いても6時間出ずっぱりで歌ってしゃべり続けていた。さださんは、ファンでなくてもすごいと思う。曲の半分はギターの弾き語りに、たまにピアノが付くようなシンプルな物なので、とにかくずっと何かしている。(曲の半分は・・で、「公演の半分は」しゃべっている。客もそのトークを聴きに来てる)

街なかのファミレスは、駐車場の2Fに上がらないといけない所が多い。そういう所は車椅子で入れないので「障害者を差別している」という見方をされることもある。今回は2ヶ所で入れなかった。じゃあ次を、とiPhoneで探そうとすると「入れるところを店員に聞いてくれ」と言う。疲労のピークで面倒だと思いながらも、たしかにそうだと思う。こういうのは機械に頼ってはだめだな。困っていることを伝えるほうが、いつか改善につながるかも知れない。

5分走ったところにあった。聞いて正解だった。大晦日の夜に街にくり出す若気の至りな男女ばかりだ。その中で冒頭の険悪なやり取りになった。浮かれる若者たちの横で「あ、か、さ、た、な・・」と文字盤を読み上げる。僕は目が開かないし、相方は充血して涙を流している。

たいした理由もなかったので和解すると、「元旦は豪勢に行く」ということで、朝4時なのにステーキとかパフェが運ばれてくる。食べていると元気と余裕が出てきた。ふと周りを見回すと、となりのテーブルに男性が一人で座っている。

最初なにか飲んでいたけど無くなって、携帯をいじり始めて、最後は「ただそこに居た」。寝ると追い出されるので体を起こしてうとうとしてたのかも知れない。ぼくが机に突っ伏して30分寝て起きるといなくなっていた。と思ったらトイレから出てきて、またじっとしている。ネットカフェよりも時間のコストは安い。何があったら、ここまで行き場がなくなるんだろう。

知多で日の出を見なければならない。もうろうとしながらレジに行く。熟睡してたので店員に嫌がられてると思っていたら、思いがけずレジの姉さんに声をかけられた。これからどこか行くんですか、とかなんとか。年越しに異色のペアだったので興味を引いたかも知れない。何か話したけどろれつが回らなかった。これは嬉しかった。