マヨネーズ(夏休み3)
ついに、自宅に仙人が来た。
先月から取材に来ていた日本テレビの番組が放送される。大きな画面で見よう。どうせならプロジェクターの100インチで見よう。
ロケは見に行けなかったけど、滑り台づくりなどの準備を少し手伝った。全国ネットの番組にかけられている費用と労力はすごいと思った。ディレクターが何度も事前取材に来てロケの前後2泊して周辺の映像を撮ったりしている。出演者2人も新幹線で連れてくる。それでバラエティ番組のひとつの枠の10分になる。
http://heiseisennin.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-d0ea.html
わりとうまく出来ていた。「ちょっと変わってるけど、生活を修行に捧げる格闘家」という感じで、ヌンチャクでビールの栓を抜いたり、マッチの頭を落としてみせる。哀川翔が「いい目をしてる」と評価していた。でも10分しかない。終わってしまった。
子供に向けた活動の写真をバックに、行っている社会活動の説明と思いを仙人が語る、はずだった。応援に来ていた施設の子供も出して欲しかったようだ。「話がちがうじゃないか」怒りだした。それ来たぞ、と映画の人たちはカメラとマイクを向ける。残された僕と、一対一という設定にさせられている。とても気まずいムードになってしまった。なかなか収まらない。「これだから下界の人間は信用できん。あの時もそうだった・・」困った。
この番組のきっかけにもなった、仙人が良い出来だという番組があった。芸人のウデも悪いと言い出したところで、いっしょに観てみることにした。youtubeでダウンロードして持ってくる。僕は初めて見た。
仙人がほめるのもわかる。ロケの神様が降りてきている。ブラマヨさんたちも、初対面であれだけ対応できることがすごい。取材相手の良いところを引き出してる。比べられるしずるは相手が悪かったと思う。仙人はよく言っていた。誰だったあの芸人は・・マヨネーズ、なんとかマヨネーズだ、そのマヨネーズは、このわしが認めたんだから人気が出るにきまっとる。
血圧が上がるから、と気持ちを落ち着かせて帰っていった仙人は、後日ディレクターに電話して怒りまくっていたらしい。映画の人は、そのやりとりをスピーカー出力にして記録した。面白い番組・映画を作るために何でもする人がいる。仙人が怒鳴る相手も、頼りにしている映画の人も同じことをしている。その理不尽な要求と、撮られる人が表現したいものが、どう接点を作るかが大変そう。接点なんかなくて、まったく引いて撮ってもドキュメンタリーならいいんだろうけど。
ブラマヨ的な人が芸術的に間を取り持つと、楽しくて嘘のないものが作れると思った。