日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

尽きませんな(夏休み1)

なにもない3連休。2日目には予定があったけど断ろうかと思っている。こう暑いと、エアコンのない家に昼間いられない。中途半端に休みができると不安になる。3日間どこかに出かけている方がいい。

結局なにもない1日目の朝、仙人のところに映画の人たちが来ているはずだったので連絡する。瀬戸に昼ごはんを食べに行くことになる。仙人は、レンタカーのエアコンの効きが悪いのをとても気にしていた。

「ぜったいおかしい。レンタカー屋に(苦情を)言ってやらにゃいかん」暑い暑いと扇子をばたばたやっている。あなたは仙人なのだよ、という言葉が頭をよぎるけど、確かに、待ち合わせ場所の仙人の山は緑が陽をさえぎって涼しかった。川から風が吹いてきた。じっさい下界は住みにくい。
常連客しかいないような小さな喫茶店のマスターが、すごい趣味人で、1時間いろいろ話をしてくれた。釣りの話にキノコの図鑑が出てきて、一番は「石」の話だった。標本をたくさん出してくれた。鉄や銅の自然に出来た結晶を初めて触った。「宝石」を愛でるのとはちがう。いろんな意味で。

黒い石のすき間に輝くダイヤモンドの原石。けっこう大きいのが2つ見える。「ダイヤの原石」という比喩には「素質があっても磨かないと(努力、育成)輝かない」という意味がある。似ているけどもっと美しいのが「子供はみんなダイヤの原石。努力すればあのイチローのようになれる」でも2つの原石は濁っていて何の価値もなかった。削っても磨いても、クズ石はクズのまま。子供たちには何と言ってあげよう。石マニアを探そう。


黒いかたまりの中には宝石のトパーズが隠されている。トパーズは良いものでないと見栄えがしないので、削らないで「中に入ってる気配」を楽しむらしい。牛糞の化石だと思った。

手に持ってるのは鉄の結晶。結晶だと錆びないらしい。右の「かき揚げ」みたいなのが銅の結晶、というのか、銅がコロモになって他の石をかき揚げにしている物。この映画の男が興味を示していると、お土産に石のサンプルをもらっていた。かき揚げの後では、これも豪華版の食品サンプルに見える。もんじゃ焼きのような。

猿投の「菊石」は大したことないらしいのでちょっと残念。菊「花」石は良いものらしい。

愛媛で国産のダイヤモンドが採れたらしい。iPhoneで調べたらコンマ何グラムが何つぶという感じ。でもすごいことらしい。「詳しいことがわかったら、マスター採りに出かけちゃうから」と奥さんが心配していた。

仙人は静かに話を聞いている。冷やし中華にライス大盛りをつけてメニューに無い「冷やし中華定食」を頼み始めたので、この強引な感じで行くのか、と思ったらおとなしい。マスターの話を聞いている。仙人の協力者には人徳者が多い、と映画の人が行っていた。マスターのように見守ってる人たちにも魅力的な人が多い気がする。

近くに面白い知り合いがいるからと、会いにいくことになる。会う前に仙人は「歴史に凝ってる女仙人」と紹介した。マスターのことは「キノコに詳しい」と紹介した。間違っていないけど、じっさいはもっと奥深かった。海上の森を守る女性にいたっては、不用意に書くと後が怖くて、書けることがないくらいだ。

「・・こんな話を聞いても一般の人はピンと来ないでしょう・・」に続く決めゼリフは、「いま、宗教界の大物が動き始めてるところです!」同僚に説明したら「つまりデンパ系なの?」と失礼なことを言うので、「うーん、むしろ発信してるほうだから、電波塔かな。瀬戸だけに」本を買った。

帰り道、映画の人がつぶやく「仙人、歴史に凝ってるって言ってたけど・・」そんなレベルじゃないよね。運動家・・テロリスト・・教祖。なんとか抜け出せたのは、仙人が頑張ってくれたから。

「お話は尽きませんな!大先生の面白い話は何時間でも聞きたいけど、今日は若い人が『どうしても女仙人に会いたい』というから寄ったわけでな。またゆっくりと食事でもしながら・・改めてな。な!」

仙人はここでも聞き役に回っていた。ふつうのおじさんに見えた。最後は部下を助ける課長さんみたいだった。

アイスを食べたい、と言うのでスーパーに寄る。車で食べてもいいのだけど、仙人の提案で、小川の土手に並んで座る。小さな河川敷で学生がバーベキューをしている。学生にアピールしたかったのかと思う。川を見ながらアイスバーを食べ、「もう1つアイスを食べたい」と言い出す。暑い暑いとぶつぶつ言いながらも楽しそうだ。マスターを紹介したことで、僕ら若いのを楽しませることができて、それが嬉しかったのかもしれない。