日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

いろんな声がある

音楽イベントの会場で座っている。大きな音量と拍手の中で、隣の人がこちらを向く。耳を近づける。その人は、よく聞こえるように手を添えて、声を張りぎみに言う。「いろんな声が、あるんですね!」

障がい者団体主催なので、個人的に難しいこともある。福祉職員として見るのか、音楽ファンとして、または「ちょっとサブカル好き」として見るのかで、受ける感動も違う。(書きにくい内容だけど・・この感動を伝えねば・・)

たまたま座った席の周りが近くの作業所の面々で、気さくな連中だったので話しながら観ていた。

曲紹介で語尾がやたらと上がる女性がいて、全ての文節で確実に上げてくるので、笑っていいものか、辛かった。そしたら隣から「いろんな声が・・!」という報告が来て、耐えられず吹き出してしまった。
幕間に、凝った衣装の女の子たちが、きれいに揃ったダンスを見せてくれた。下は小学校というかわいい感じなのにダンスは激しい。隣から「首が、痛くなるね!」、そして「コシが!すごいですね!」

サングラスを外すと目が可愛かった、オレンジなんとかみたいなロックバンドが、意外にかっこいい演奏をしていた。

ラッパーが前に出てきて客席に呼びかける。「音楽は、聴くもんじゃなくって楽しむもんです!盛り上がっていきましょー」他にも恥ずかしいようなことをしゃべってる。観客は、まだノリに付いていけない。

隣から「勇気、あるねー!」笑顔は好青年で、率直なコメントがすばらしいけど、多少皮肉も入ってないか。

客席もやっと盛り上がってきた。腕を振り上げ、オーイ!だかハーイ!だか客席に叫ぶ。マイクを客席に向ける。そして、隣から

「呼んでるんだね−!」

かなり楽しめた。長くやっていたり、練習を重ねてきたバンドは良い演奏していたし、観ていて楽しい。

「世界に1つだけの花」は、ここでもロングヒットしている。言い回しは忘れたけど、スピーチに立った人が「この曲はみんなにぴったりな曲です」みたいなことを言っていた。障がいは個性で、個性は他の誰にもないかけがえの無いもの。


横浜の写真。関係ないけど、花だし

親の会の人が言うんだから切実な声ではあるんだけど、福祉の中だけ通用する価値観を作ってしまうのは少し寂しい。Only oneと言って閉じこもるより、外で何かやらかすほうが働く方としてはやりがいがある。


同じく横浜港。関係ないけど「閉じこもる」

競争なのか、個性≒「ゆとり」なのか。それは手段で、どっちでもいい。目的は、人の意欲を引き出し、日々が充実すること。同僚が何人も倒れて、一時的にでも精神障がい者になるようなご時世には、小さな障がい福祉の世界だけじゃない。社会の問題だと、気づかない人がいたら、そんなOnly oneはリハビリして矯正しなきゃな。