日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

ストラップ(iPhone1)

手作りストラップ。荷づくり用タフロープと綿のひも。あまりにもひどいので、後輩が遠慮がちに聞く。「・・ないほうがいいんじゃないですか?」

2つの端子以外は、モノが付けられない作りになっている。たしかに、何もないのが一番きれいだ。保護シートだけ貼って見せびらかしていたら、「ぜったい壊すぞ。iPhoneは壊れやすいんだって」と先輩がおどかす。落として液晶パネルが割れる。衝撃にも弱い。

そもそも従来の携帯とおなじ使い方はしないものだという。パソコンに近い。ポケットに突っこんで、ときどき床に落としたり水をかぶったりする使い方はできない。「メインの携帯 + iPhone」の2台使っている人が多いんだと。

Made in Japan は頑丈だ。職場の人に「洗濯機で脱水まで回したのに直った」話を聞いた。(ちゃんと脱水までやったから?)これまで携帯を壊したことはなかった。水とか、多少は気をつけていた。でも上から来るとは思わなかった。職場のイベントのためテントを建てる。へたった天幕にたまった雨水をつっついて落としていたら、カバンに水がかかった。au携帯を入れたポケットに水がたまったらしい。

職場のサーバー機の排気が出るところに一晩置く。やっぱり電源が入らないので、休憩時間にsoftbankに走った。iPhoneを手に入れた晩に、ためしにau機の充電をしたら電源が入った。なんでもよかった。iPhoneが買える、料金プランやタイミングが揃うのをずっと待っていた。復旧の努力は怠った。背中を押してくれればよかった。

年末に、職場で携帯がなくなった。探しながら「これはiPhoneを買え、というおつげじゃないか。買った方がいい?」と周りに訴えていた。残念ながら、この時は着信音を頼りに見つかった。
大学でコンピューターに関わるようになって、apple社の製品にずっとあこがれていた。計算機に人が従うのではなく、「人の能力を拡張する道具」としてのパソコンをつくった。でも、自分は音楽を作ったりアートしたりはしない。ウェブを見たり、ダウンロードしたり、簡単なプログラムを書くとかにappleのものは向かない。歩きながら音楽も聴かない。

「操作」だけしたかった。創業者が最初のパソコンを作るとき、こだわったのは美しい書体(タイポグラフィ)だったらしい。伝説のインターフェースはどんな感じなんだろう。使う目的は無いんだけど、使いたかった。7,8年前に1度だけタイミングが訪れて、ヤフオクibookを落札したけど届かなかった。はやりのオークション詐欺だった。

いま手元にiPhoneがある。でも、ゲームはしないしアプリも使わないし音楽も聴かないと思う。たまにやるだろうけど。「操作が目的」だと、お金は出しづらい。でも電話やメールはないと困る。apple製品と自分の生活が、iPhoneでやっと交差した。

職場では、モノが一般家庭の10倍の速さで壊れる。それに、いいかげんなことは書けないけど、ショップでの説明では、激しく壊すと、なぜか「買い換える以上の」費用がかかる。「当たり屋」を持ち歩いてるようだと思った。守らなければならない。

グッズ的なものをあまり付けないんだけど、契約した勢いで青いカバーを買った。いまいちだ。落下防止のためストラップはぜったい必要みたいだ。液晶パネルもカバーした方がいい。iPhone/iPod には、デザイナーが凝ったカバーをたくさん出している。ネットショップや口コミを見てまわる。

3/4 iPhone 3G用ケースBEST5を選んでみました [男のこだわりグッズ] All About

これが気に入った。7,480円はいい値段だけど、ずっと使うんだし、人にも見せたいし。その時はかっこいいと思った。

寝て起きたら考えが変わった。生iPhoneが一番なんである。7,480円のを付けていじっている自分を想像してみる。嫌な感じだ。形のデザインは生が一番。でも本質はインターフェースのデザインだ。形はそれを邪魔しないもの。前面にロゴがないのも、たぶん余分な情報を見せないため。

「機能美」なのかも難しいところだ。使いやすいとは思えない。機能の数は少ないほうだ。「情報」という形のないもの、触れられないものを直接さわって動かしている感じ。これまでTVごしに、リモコンごしにしか扱えなかったものに触れる。

知覚の拡張、とか言うとめんどくさいけど、「パワーと自由を、個人に」というappleの原点に近い製品だと思う。それを見た目よく飾ろうとするデザイナーはきっと失敗している。ぴったりと包めるものは作れない。何を付けてもマイナスになる。

人気の革カバーは、薄い本革を職人が加工した。「使うほどに味が出る」それを見せて喜ぶのも、見せられてありがたがるのもiPhoneを冒涜している。労力を費やし大金を出してわざわざ価値を下げている。

ほんとうはやりたくないけど、壊してもお金払えないし、もう1台携帯買う余裕もないからカバーとストラップをつける。泣く泣くつける。人目をはばかってつける。ゴミのようなものだからゴミのような材料で作る。

あくまで応急処置で、帰宅したら外す。その代わり、薄っぺらいデザインの付属品で本質的な価値を隠すことはしない。

それにしても、もっと何とかならんかとは思う。せめてヒモを細くしようと考えています。