冷蔵庫がこわれた

見苦しい写真をのせました。部屋の写真を、たまに撮るようになった。小野田寮の終焉が近づいている。

久しぶりに大家さんと話した。３月で３人退去するそうだ。こないだ家賃の紙を見て「５，６人しか住んでないんだ」と思ったばかり。３人しか住まなくなったときに、ぼくが３部屋借りているのは大きい。

冷蔵庫が壊れた。１月に家で集まったとき差し入れられたアイスが、次の日ぜんぶ溶けていた。そのときはまだ動いていた。ある日、冷蔵庫の方を開けると冷えてない。詰め込みすぎて半ドアだったのかと思った。ライトは付いていたから気づかなかった。

気づいたときには、冷凍庫の中は常温まで上がっていた。目をおおう光景だった。

貨物室にのせたとき、下から茶色い液体が流れだす。「アラキさん、やばくないですか？」卒業して部屋を引き払うＮくんから冷蔵庫を譲ってもらう。運び込むのを手伝ってもらった。
壊れた冷蔵庫の中を片づける。もらったイノシシ肉の食べきれなかった脂身を冷凍した。（イノシシは脂が最高にうまい。ドングリ食べてるから？）２年前の夏、一瞬だけ盛り上がって、ホールスパイスを粉にするところからスープカレーを作った。できたカレー粉で２回カレーを作って、のこりは冷凍した。２度と作らなかった。賞味期限の切れたワインの小ボトルをゴミに入れようとするのを止めた。学生のころ一度だけ親父が視察に来た。別れぎわに土産に持たされたが飲めなかった。静岡の親戚や友人に会うたびにご当地茶葉を頂いて、数回いれては、洗濯バサミで挟んで冷凍庫に突っこんだ。３袋あった。大昔にアイコさんにもらった高級ジャムがおいしかったので、通販で似たようなのをたくさん買った。ひとりでジャムなんか消費しないのでビンがたまる。野菜ケースの底の茶色い液体にわさびチューブが沈んでいる。鷹の爪を買って冷凍庫に入れては忘れ、大袋３つ出てきた。「このツンとくる臭いはトウガラシですかね」そんなフォローはいらないよ、Ｎくん。数年前の豚、トリ胸肉。ブラックタイガー。冷凍サンマ。

Ｎくんと仙人のところへ行く。夏にいっしょに合宿した。仙人はご立腹だった。秋に行ったときに水をタンクにくむのを頼まれて、仙人は遅くても一週間で持ってくると思っていたところ、４ヶ月経ってしまった。後輩の前で３０分くらい説教だった。まあでも楽しい感じだけど。「こんな大人になったらいかんぞ。これだから下界の人間は信用できん」説教が止まず、日課の黄門さんを半分見過ごしたことに気づいて、さらにヒートアップしていた。

協力してくれ、といつも仙人は言う。今日の説教は楽しいもので、何かできそうだと今日は思えた。現役男子学生を引かせる部屋の惨状に「たしかに、結婚でもしないと変な病気になるね」とＮくんに共感の姿勢を見せた。楽しい未来を予感させる休日だった。