日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

高千穂峡

「最強のパワースポット」分杭峠に行ってから、悪いことが続いている。翌日に車で事故をした。予定外の出費も多い。飛行機のり遅れたりとか。買ったばかりの車が壊れた。工場の兄さんが「めったにない」という燃料ポンプの故障だ。約五万円。そういえば、分杭峠は車を買って最初の遠出だった。

テレビで、太った江原さんが高千穂峡のことを話していた。とにかくすごいんだそうだ。この手の話では、みんなそう言う。でも、高千穂峡には行きたい。負のパワーを清めてもらえるかも知れない。

高千穂「峰」には何度も行った。鹿児島と宮崎の県境、霧島連山の中にある。小学生の時に登った。子供の体力と想像力にとてもマッチした「こどもに夢を見させてくれる山」です。

大きな火口と、きれいな円錐の頂が合体している。火口にたどり着くと、奥に隠れていた「本当の頂上」が見える。霧島山系から少し離れた独立峰で、若い火山なのか草木は生えず、シルエットは山系の他の山々と違いごつごつしてなくて、きれいだ。色も赤っぽい。


この写真は旅行サイトから借りました。すみません。

登山道は、こどもに達成感を味あわせつつ、危険はない。頂上には「天の逆鉾(さかほこ)」といって、巨大な剣が突き立っている。小学四年男子をターゲットに商品開発したかのような夢のテーマパークである。短い優等生時代、早く終わったテスト用紙の裏に、真剣に山の絵を描いていた。
もう一つ高千穂ナントカがあることは知っていた。こちらは川だ。きっといい所に違いないと思うけど、強い信仰心もなければ、なかなかたどり着けない位置にある。宮崎と熊本の県境で、屈指の観光地、九重と阿蘇の「裏」にある。どっちが表か、気を悪くする人もいると思いますが、有名な黒川温泉を表側ということにしておきます。焼酎「ひむかのくろうま」は、ここ高千穂町で作られています。


この写真は無断借用です。あんまりキレイな写真なので。ボートでは親父がカメラを持っていたので自分では撮らず。だいたいこんなイメージです。

熊本の家からは2時間以上の道のりで、家族はあまり乗り気では無かった。一人で行くつもりだったけど、両親が付いてきてくれた。いろいろうるさかったけど、結果的に来てくれてよかった。「パワースポット孝行」もできたし、なにしろボートはカップルばかりで、一人ではつらい。高千穂町のみなさん、1人乗りカヤックを何艘か用意すれば、悩めるお客がいっぱい来ると思います。

天の岩戸神社。小さな伊勢神宮のような、山全部神社という作りになっている。駐車場で、スケジュール的に20分くらいしかないから走って行ってこい、と言われる。

朝からあまり食べていない。車内で母親がくれたのも、立ち寄った売店でも甘いものしかなかった。まんじゅうとか、ドーナツとか焼き芋とか。参道を走りながら売店のメニューを斜め読む。名産の蜂蜜アイスとか、焼酎とか、またまんじゅうとか。高千穂ドリのゆで卵を買って、走りながら食べる。半熟でうまかった。

山はきれいだけど何もないな、と思って、小さな高千穂峡のような切り立った川を見ながら歩いている。人も多くて、走ると迷惑がられる。角を曲がって顔を上げると、そこが「天安河原」だった。石積がえらいことになっている。高千穂峡はきれいで素直に喜べるけど、ここは難しい。

母親に「足引きずってでも、来たほうがいいよ」と電話した。ちょっと難しいか。「私たちは大丈夫だから」という返事に、不思議な感じがしたのを覚えている。気を遣ったわけではなく「もう来ることもないし、死ぬ前に一度見たほうがいい」と思った。分かりにくいけど、そう思わせる場所だった。

その間、父は焼酎を何本か買い込み、母は珍しいしめ飾りを選んでいた。気さくな売店のおばさんと話していると、自分もしめ飾りを2つ買っていた。なんかいい所だな。