日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

分杭峠

長野県の駒ヶ根ICを降りて、カインズホームでポリタンク12リットルを買い、山へ向かう。

分杭峠(ぶんぐいとうげ)の沢には、平日なのに大勢集まっていた。ここの石を持っていると良いというので拾いに行く。沢にいたおばさんががコツを教えてくれた。白いのと黒いのがある石がいい。小さいのを財布に入れると金運が上がる。

上流側の小さな滝つぼをのぞきこんでいると、水をくんでいた男性が「石を拾うといいんですか?どんなのがいいんですか?」と聞く。おばさんの言ったとおりのことを伝える。そんな伝言ゲームで、いつの間にか沢中で石ひろい大会になった。


有名な「パワースポット」で、全国から悩める人やその筋の人たちが集まってくる。伊勢神宮諏訪大社の下を通る断層上にあって、いろいろ良い物が出ている。だから心霊スポットというよりは「厳かな」感じだ。そう思って来てみたら「子ども連れて初めて来ました」っていう家族ばかりでレジャー色が強かった。子どもたちは「ハイキング+砂金採り」ぐらいに思って沢を走りまわり、ビニールシートに座って弁当を食べていた。

帰りぎわにタンクに水をくむ。水くみ用のパイプからは細くしか出てない。ペットボトルの細い口に入るように腰をかがめてじっと待つ人もいる。「ふつうの」タンクの狭い口に入るように、下に石をはさんで調節したり、水の流れが変わってこぼれ出し、待っている客の不評を買ったり。カインズで買ったタンクには「名水くみ用」と書いてあった。やっと意味が分かった。口が特大で、自然の不規則な流れをもれなく受け止める。パイプの下にどんと置いたら設置完了で、少し気分いい。

貯まるのを待っていると、石のことを聞いた男が、まだ石を探している。大きめの穴を掘り始めていた。少し責任を感じる。彼は、ぼくより一回り上で、子どもに心の病気があって、ここには来れなかったけど水を持って帰りたいと話していた。

なんでそんなこと話してくれたかというと、こちらも同じような事情があるからで。。一緒に来た男は、最近悪夢に悩まされていて、ここのパワーが効いてくれると良かった。帰りの車内で静かに寝始めたので、少し期待したが、そのうち苦悶の表情を浮かべながら時折ケイレンするようになった。起こして聞いたらやっぱりダメだったようだ。