日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

郡上おどり

深夜1時に着いた。真っ暗な空に、ライトアップされた郡上八幡城が浮かんでいた。

「1ヶ月踊り続ける祭りがあるらしい」日本にだよ。いつか見に行こうと思っていた。クライマックスの徹夜おどりの3日間に休みが1日あった。

たまたま遊びに来た、くされ縁の友を誘う。興味なさそうだけど、有名な祭りだし暇だし、乗ってくれて、車も出してくれた。岐阜育ちで、小さい頃、そこの城に登ったことがある。

ナビに「ク」ジョウハチマンジョウと、苦労して打っている。読みが違うので出ない。「犬山城の方がよかったな。やっぱ歴史がある」と行きの車中話していた。でも、この時期の空高く白く光る郡上八幡城は、犬山城に勝っていたみたい。

岐阜の若者が度胸試しをする橋がある。警備員は、危険な夜間の飛び込みを阻止するために立っている。深夜1時とは思えない人の密度で、ほとんどが若い。町の「若い衆」というよりは、その辺の若気の至りな人たち。
駐車場を探しているとき、道路脇の一団が旗を振って車を呼び込んでいた。ガラの悪い祭りだと思った。屋台に並ぶ女の子が話している。「去年は橋のところでケンカしてたよ」

踊りの集団にぶつかった。踊りは揃っていなくて、人が多すぎて、雑然としている。ピカピカする被り物をつけて踊ってる奴。こんなんでいいのか。

1時間くらい、見よう見まねで踊ってみた。メインテーマの「かわさき」だけ、振りのまねが出来るようになって列の中で踊ったら、外から見たのと別物に楽しかった。

「飛び入り可の連」はない。町民も外国人も、大ベテランも僕も一つの場にいる。一つの踊りの輪にいる。これってすごいことだと思う。町民は、僕みたいな有象無象が入ってきて、下手くそで踊りを乱されて、何かいいことあるのかな。

有名な祭りは、共同体のマツリと観光資源という二つの面を両立させる苦心をしていると思う。ここは何でも受け入れてしまう。

http://www.gujohachiman.com/kanko/odori_schedule_j.htm

2ヶ月に渡って町のどこかで踊り続ける。スケジュールには「小野天神祭」「地蔵祭」「恵比須祭」「十八観音祭」などのタイトルが付いている。寺と神社、ぜんぜん違う祭りでも、とりあえず踊って同じ「郡上おどり」と呼ぶ。「山内一豊夫人の夕べ」という、祭りかどうかも分からないイベントでも踊る。ゆるいのかストイックなのかよく分からない。

移動式のやぐらのなかに唄い手と演奏隊がコンパクトに収まっている。夕暮れ時、街角に出現すると皆踊らずにはいられない。10ある曲目の順番は、踊り手の様子をやぐらから見て決める。学者っぽい人は「人の行動を宇宙人が見たら・・」とか言う。きっと宇宙人はやぐらを研究するだろう。何か物質が出ているんじゃないか。

こういった踊りの配列は先人のアイデアとはいえスポーツ科学の上でも、とても合理的な順序になっていることが学説でも証明されています。
郡上おどりが徹夜ででも延々と踊り続けられる理由はここにあるのです。


http://www.gujohachiman.com/kanko/gujo_odori_j.htm

疲れて、翌日は友人のすすめで、初めて岩盤浴に行く。友人に悪いのでしばらく寝ていたが、服を着たままサウナ的な場所にいると、悪いことをしている感じだ。抜け出してサウナ&水風呂へ。駐車場で集合して、思わず「朝日、ごめん、やっぱ男はサウナっすよ」と謝った。