日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

座喜味城(ざきみぐすく)

沖縄での第2回「人と出会う」セミナーの報告、と言うには断片的なので、感想。

大型の電動車いすは、充電なしで一日行動するためバッテリーが大きく、100キロ近い重量になる。少しの段差でも、機械が越えられないなら無理はしないこと。これまで関わった施設や当事者との暗黙の了解だった。重くて危険もある。1台100万円の「高級車」の扱いは丁寧になる。値段は車1台分でも、故障すると費用や時間は、車と桁違いにかかることも多い。「体の一部」のように扱うし、実際体の一部だと思う。

今回のセミナーではスケジュール作りの手伝いをした。読谷村に15時に着いて「沖縄を知ろう」フィールドワークが始まり18時半に宿に戻る。フィールドワークの始めが座喜味城だった。実際は、読谷村に着いたのが17時で、座喜味城の上に登ったのは、日が沈みかける19時前だった。
ひどいスケジュールだ。空港に着いて20分でレンタカーに乗れる計算が、実際は1時間半かかった。僕が運転すると道に迷った。読谷の古い町は何度行っても迷う。

城を登るのに時間がかかったのは、電動を2台頂上にかつぎあげたから。最初の小さな約5段を前に、短いやりとりがあった。「どうする?上に行ってみる?」「行く!」未熟者にはカルチャーショックだった。そこからがすごかった。大きな石段5+15と鉄製の階段15段ほど。あるウェブサイトによると一番高い城壁が13メートルというから、それに近いだろう。ビルの4階まで持ち上げたことになる。

自分の理解を超えていていて、参った。介助者に「いつもこうするの?」と聞いたら「いや。でもやってみれば出来るもんですね」と人ごとのように言う。沖縄県の自立生活センター(Center for Indepedent Living、以下CIL)イルカのメンバーの若い力と、介助者との信頼関係がなせる「奇跡」だった。奇跡というのは、その他の施設などでは多分ありえないから。

地道な活動で日本の障がい当事者運動を支えてきたCILの気概を感じました。もう一度やれ、と言われたら介助者は断るだろうけど(やっぱやるのかな)。