日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

仙人カレー

「豊田の仙人」は健在です。

台所に竹筒が置かれています。厳重に貼られているガムテープがとても怪しいです。

中身はカレーです。仙人のところで、朝食のカレーが余ったので「折り」にしてもらいました。(「ドラえもん」で、大きな木の実を開けると、カレーライスが入っているのを思い出した。こういうの、ワクワクしますね。)
同僚と3人で仙人のところに泊りに行った。みんなで夕食の「仙人汁」を作っていたら仙人の携帯が鳴った。「ぜひ会って人生について話したい」という人からだ。仙人のことが載った雑誌を読んだらしい。職安で知り合った3人で、電話した人は仕事を見つけたが、仲間を励ましてやりたい。

車の道案内をしろ、と電話を代わった。相手は僕を何だと思ったんだろう。「仙人は早口でうまく通じたか分からない。あなたが代りに伝えてほしい。私たちの目的は・・」趣味で映画を撮っていて、それに出てほしいとも思っている、などなど。仙人のマネージャーじゃないけど。

仙人は、数年前大病をしてから、以前ほどうまくしゃべれなくなった。「すべては『天』が決めたこと。仙人はしゃべりすぎだから、これからは少し休めということだな。」

ことあるごとにホームページの手記を読めという。協力者が更新している。長く連載している手記は、仙人の自信作らしいけど、人に紹介していいものか迷ってしまう。仙人ファンとして、仙人の人間を誤解されないためにも、句読点がオール感嘆符→!なのは止めてほしいと思う。

楽天が運営するポータルサイト : 【インフォシーク】Infoseek

直接会って話すことに勝るものはない。日本中で苦しんでいる子供たちの目に少しでもふれるように、そこは妥協してインターネットという道具を使う。何でも同じようなパソコンの文字ではダメである。手紙を読むように、手書きが一番気持ちが伝わる。たぶんプリントして手に持って手紙のように読んで欲しいんだろう。PDFを毎回ダウンロードさせる、面倒くさいインターフェースになった。

Webが趣味だったこともあって、最初はずいぶん気味悪く感じたけど、この先こういうアナログへ帰る流れもありそうだ。手記の内容については、誤解する人もいるだろうし、それは、たぶん「誤」解ではないと思う。ただ、雑誌やTVの取材に応じるのは「子供たちに自分の存在を知ってもらう」ためで、そこは誤解なきよう。子供への愛情はとても深い人だと思う。

材料が足りなくて仙人とスーパーに買い出しに行く。ふだんは豊田市の、交通量が多く歩道のない道を、荷物を満載した自転車で走る。車はとても助かるそうだ。レジを出たあと急に花火が買いたくなり、仙人を待たせて再びレジへ。

ジャスコより広いスーパーの花火コーナーのところで、仙人がカートを押さえて待っている。夕食前の時間帯の人込みのなか、鮮やかなほど浮いている。いろんな人がいるものだ。それが分かれば、毎日は少し楽しくなると思う。

病気してから厳しく摂生している。「人が来ることが少ないから、倒れたら、そのままあの世行きだ」仙人のもとに集まる僕ら、そして仙人から離れていく人々。倒れるのが先か、追い出されるのが先か。仙人が元気に暮らしているかぎり、僕が住むこの町は、人にやさしい。

生活や金のためではなく、少しは名誉のため、なにより苦しむ子供のため、ひとりでも行動を起こす。じつは携帯もTVも持ってて「仙人」なのか微妙なところ。豊田市福祉職にとっては、かなり荒削りな福祉の原点が、保見の山から見守ってくれているようにも感じる。そこはやっぱり「仙人」だと思う。