日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

松代 パート2

信州松代はいいところ。前回危なかったおばあさん(id:Araki:20080430)の四十九日法要のため出かける。

朝6時。親族が泊るダイワロイヤルホテルを抜け出し朝の散歩にいく。一陽館のオババの話では、ロイヤルの温泉は元々松代の他の温泉と同じ濃厚な色をしていたが「汚い」という客のクレームで、一部を残して薄くした。本当かな。たしかに扱いにくい湯質と思う。すぐ鍾乳洞になってしまう。

千曲川側に開いているが、簡単にいえば盆地だ。それも外周の山々はどれも個性的で、そのまた外周の山が朝もやの中に浮かぶ見事な盆地である。

山沿いに右回りに歩く。山の階段を登ると天狗がいてけっこう驚いた。天狗らしい登場だと思った。
道路わきに温泉をくむ大きなポンプがあった。少し歩くと変った空き地がある。いい天気なのに湿っていて黄色っぽい。草むらの陰に温泉が湧いていた。自噴、車道から20m、なんだこれは。天狗より驚く。

空気に触れるまでは透明だ。すくって飲むとふつうにうまかった。微炭酸、甘酸っぱい香り、後味以外は飲料のもの。りんご、柿、ぶどう、のどかな果樹園を歩く。

例の一陽館に着いた。看板には8時から、と書いてあるが常連がぞろぞろ入ってくる。温度も天然だから沸す必要はない、オーナーが来れば開店だ。

最初の湯ババが「こっちの浴槽に来い」と手招きする。毎日あちこちの温泉をめぐっているそうな。あとおいしい高原野菜の話。今は黒姫高原のトウモロコシやらキャベツが良いとか。ほかで採れた野菜は食べられない。どれだけ色白でもち肌で美人かといえば、そっちの方向ではなく、話の止らないギラギラと元気なばあさんになってしまった。横じまの混浴専用水着を着て、知り合いを見つけると湯船を自在に移動する。

「最近、北海道の(忘れた)温泉を抜いて、もっとも湯質のよい温泉に選ばれたらしいよ」松代荘は湯が熱すぎるとも言った。そうですよね、と一度だけ話が弾んだ。ということで一陽館はとてもオススメなのだけど、近くの山に「酸素の温泉」とやらがあってそこが彼女の今のベストなんだそうだ。「何度入っても疲れないね」

ホテルの同室だった親戚のおじさんと四国旅の話をする。ゆっくり話すのは初めてだ。四国の印象を「山のてっぺんまで家がある」ことだという。そういえばそうだった、とすごく納得する。こんな話はまた次で。

d:id:Araki:20051114