日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

風の盆

遅れても去年は待ってくれた。今年は朝5時に着いてたぶん最後の三味線を聴いた。入り口の町区で、ジャンジャンジャン、というワンフレーズを聴いてすべてが終わった。日が昇ると魔法が解けたようにふだんの町に戻っていく。

車で寝る。愛用のエアマット再び。敷布団を持ち込んでいたのに比べて外向けにもいい。作ったやつえらいよ。
「誰でも必要なときに必要なサービスを受けられる」富山型デイサービス発祥の地「このゆびとーまれ」にお邪魔する。デイサービスなのかも分からない。泊まる人もいる。思いつくたいていのことには当てはまらない。

何百もの事業所が同様の理念をかかげるなかで、元祖が言う「誰でも」は重い。1歳の子供、障がいのある子供、視覚障がい、言語障がい。もちろん年寄りがいちばん多いけど、若い人も多い。若いよく分からない人々にはスタッフもいればボランティアらしき人もいる。スタッフには障害を持っている人もいるようだけど、僕ら軽率なボランティアにとっては健常スタッフより頼もしい。1日だけ来てなんになるんだこの野郎とは思わず、はるばる会いに来た旅人を歓迎してくれる。勉強をしにいったというより余計なことを忘れるためのバカンスなんである。

風呂に入りサウナでふらふらになったあと向かいの居酒屋で飲む。珍味系がおいしかった。氷頭(ひず)はかつおの鼻先のゼラチン質を薄くそいだもの、いわしの味噌漬けみたいなの。4時間寝て酒を抜き午前1時を目指して八尾へ。


昼知り合った横浜の熱心な学生を連れて行く。何も知らずに9月2日に来た貧乏学生は放っておけない。これだけは良いことをした。高山から高速がつながったせいかいつまでも人が減らない。おわらは何も変わらない。すばらしい時間。待ち時間も、1分もとぎれなく。相変わらずマナーを守れないカメラファン、いつか来る踊り手を待って寝過ごす純粋な大人たち。来年はもう少しなにかで協力したいな。

写真は中年地方(じかた)チーム。渋すぎる。もちろん若手も楽しそう。裏方的な人はいるのか。みな表舞台だ。薄明かりの路地裏で、胡弓、女踊り、男踊りの大ベテラントリオの舞を見た。ぜいたくな気分だ。たぶん14万かかってもまた来る。

出来たばかりの縦貫自動車道を走る。ひるがの高原SAで何気なく頼んだケイチャンうどんがうまかった。ほぼ徹夜で疲れた体に出汁と麺が合うみたいだ。この2日間出汁成分が不足していた。