日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

ご迷惑おかけしました4

二日目の朝

カプセルで寝た朝は好きだ。偉い人も僕みたいのも、パンツまでロッカーに入れて、同じ短パンと浴衣、布2枚だけつけて長湯をしサウナにのぼせてフラフラしている。例のカプセルに並んで寝る。集団に溶けこんで何も考えない安心感はアリさんや蜂のと同じかな。日本人ならたまに欲しくなるものと思う。

朝食出ないから皆朝が早い。作業着に着替える人、スーツに替える人、旅行者と、あとはよく分からない人たち。一緒くただった夜が終わると、それぞれの昼の生活へ帰っていく。茨木駅から6台目の車。茨木ICまで3キロくらい。街中をタクシー感覚で使ってる。これは迷惑だよな。買い物途中のおじさんにとっては拾いやすかったようだ。

家族づれ

土佐の男のおかげで、ICから乗るのは初めてだ。これが難しくて、急いでる運転手の目に止まる立ち位置をいろいろ試す。ICへ入る車線で待ったり、料金所へのカーブなら視線の行く場所に立つとか。

7台目は4人家族だった。後部座席を子供二人に詰めてもらって座る。小学校低学年の弟と高学年の姉さん。親戚に会いにいくところ、なのになんで拾うんだろうか。親父さんの度量らしい。親父が乗せたならいい奴だろうと家族も思ってくれる。子供にはなぜか好評だった。子供向けになんでもいいから小さなお土産を持っておけばよかった。

適当なSAがなく、滋賀の栗東ICで降ろしてもらう。高速に乗る車が多いからきっとすぐに拾えるよ、と励ましてくれた。ゲートが見える場所に立つ。ここは国道1号線と名神がぶつかるところ。今地図で見たら進入ゲートだけで6車線ある。失礼だけど、これは楽勝だなー、なんて思って立っていると黄色い車が止まった。道路公団のパトロールカーだ。職員はとても低姿勢な人だった。

ハイブリッド化

3時間待った。ローソンで買ったカップ麺を駐車場で食べた。立っていたのは2時間とすこし。自分が誰からも見えてない気がする。ICを追い出されて、なんとかなるかと思ったけど状況は悪かった。大規模なICなので乗り口は多くて3つある。分散するし、そもそも東方面に行く車は少ないのかも知れない。

1号線から名神への乗り口に立つ。名神は名古屋まで1時間半、1号線は四日市まで80キロ2時間くらい。高速に乗るのは難しそうだけど諦めきれない。ノートに「名古屋、豊田」というページと「名古屋、四日市」というページを作った。分離帯の白い斜線の上に立ち、右側を名神へ上る車には豊田を、左側の車には四日市を見せる。結果的に両方に中途半端な見せ方で効果なかったような気がする。午後4時、日が傾いてきたころに一台止まった。左側だった。

おわり

ノートの行き先はとても重要です。この時は「四日市」があったからよかった。「名古屋」と書いて、途中のどこで降ろしても良いのだけど見る人はそうとらない。確実に途中通る地名ならいいけど、近い距離だと先に進まない。僕より一回り年上のカップル、新婚のような、よく分からない。「名古屋」だけなら止まらなかった、と言っていた。

植木職人の男とデザイナーの女はとてもいい雰囲気のカップル。こういう異物を乗っけられるということは、価値観が合うか信頼しあってるんだろう。自分もカップルのおまけ的な位置に妙に慣れている。女は初対面の僕に身の上話をずっと聞かせ、僕の仕事などについてたくさん聞いた。大阪の会社で働いている。このオープンさ大阪のものだと思う。

「誘惑に勝てるようにがんばれ」ということで四日市近鉄駅の目の前で降ろされる。900円払えば名古屋だ。
23号線のパチンコ屋の明かりを受ける位置で立つ。午後6時で暗く無理だと思いつつ。最後の車は「何か事故でもあったんじゃないかと思って」通りすぎた後Uターンして戻ってきてくれた。

ノートを持ってる僕を見て、大丈夫か、と気になりつつも通過していった人たちもたくさんいたと思う。運転席の顔を見れば分かる。やっぱり迷惑な存在なことは確かだ。その分今度は僕が拾おう。ヒッチハイカーに限らず拾えるもの(必要としてる人)は拾おう。