Googleは思ってる以上に「検索エンジンの会社」・後編
注意:この日記は書きかけです。終わりのほうで結論につなげられず行き詰ってます。。
Googleの現状
「ラベル星無し問題」は使い始めから気になっていた。ひょっとして単体で使うものではなく、他のサービスの編集機能を補強する「エディター」なのかもしれない。の下書きを書いたり、Google Calendarでメンバーと共有する予定表とかを公開Notebookにしたり。(つまらないアイデアだけど、そう思わせるほど編集機能が充実してる)
・検索以外のサービスに存在感なし
どんな連携がありえるか、Googleの他のサービスを調べていると気になる記事があった。
毎回リリースのたびにブログスフィア中が震撼するGoogleのサービス群が、実はネットの外に出ればまったくひよこであることを再認識させられますね。
Orkut - Community archiveが登場したときの盛り上がりに比べ、最近話題に上らないことや、Google VideosがYouTubeの足元にも及ばないこと。うすうす気づいてはいたけど、日本じゃなくて米国でこんなに差をつけられていることに驚いた。
・検索結果の質が落ちている?
具体例を出して検証しているページを見つけられなかったが、
- 人気のあるキーワードの検索結果の上位をSEOされたサイトが占めてしまう
- ブログなどコンテンツ・メーカーの裾野が広がった結果、質の高い情報も増えたが検索にノイズが入りやすくなった(参考:ブログの現状はそれほど素晴らしいか : ブログ時評)
などの理由で、以前のような「検索結果トップページがキーワードについての要約ページになっている(注)」スマートな結果は期待できなくなっているのは確かなようだ。(注:個人的見解です)
Googleは検索以外でシェアをとるつもりが無い?
他のサービスが弱いことについては、メールや地図などポータルサイトの影響が強いもので比べるのは少し酷な気もします。(GMailはとっつきにくい所があるけど、Yahoo!メールよりはよっぽど使いやすいと思います)
ただ、ポータルは無いにしても、他のサービスを宣伝しようと思えば無敵のアクセスを誇る「検索結果ページ」から一般のユーザーを誘導することはできそう。ただしGoogleのサービスは、従来のものに慣れているととっつきにくい印象があります。ぼくはをメインのメールアカウントとして1年以上使い続けていますが、はじめて招待されたときは「アーカイブって何?アドレス帳が変!」と理解できず一度挫折してます。
Googleは「多くの人にサービスを使って欲しい」とは考えてない気がする。GMailもGMapsも、ニュースサイトを定期的にチェックするようなユーザーでないとサービスが開始されたことも分からない。GMailが、ヘルプを読みながら我慢して使い続けた人にとって「慣れれば使いやすい」、裏をかえせば「初心者にとっつきにくい」性格だというのは、Google ニュースやhttp://base.google.comにも共通しているようだ。
ほおー、Gmail を失敗だと見なすか。しかし確かに言ってることにも一理あって、
(中略)
確かにそうだよねえ。私も Google Alert 受けにしか使ってない。Spam Filter 代わりに使うとか RSS reader 代わりに使うって話もあるけど、広まってはないもんねえ。結局
Googleは検索以外でシェアをとるつもりが無い?確証があるわけじゃないけど、ユーザーデータを収集して検索精度を高めるために、従来のツールに満足できない「コアな」ユーザー(または企業や開発者)に向けていろんなサービスを立ち上げている、と考えてみる。
要するに、かつてGoogleはトップページにテキストフォーム一つしか置かないほどストイックに検索ひとすじの検索エンジン会社であって、それが「Google経済圏」と言われる巨大な存在になった今でも変わらず「最高の検索エンジンを作る」ことしか頭にない集団なんじゃないかと。(要するに、になってない。。)
「Googleはやっぱり検索だ」なんて、語りつくされた話題かもしれませんが、Notebookもふくめて4つのサービスが公開された日のGoogleBlogのタイトルが「Official Google Blog: Yes, we are still all about search」(超意訳:サーチといえばGoogleさ!お忘れなく)だったということもあって、もう少し検索にこだわらせて下さい。
"We are often asked at Google what we are doing to improve regular web search. There's a lot of work that goes on behind the scenes, "
会社ではよく「サーチエンジンの改良やってるの?」と尋ねられますが、見えないところで結構やってるんですよ・・
Notebookが「サーチエンジン強化の材料」に見える錯覚
言うまでもなく、材料に使われるんでしょうが、ここではそれが「主目的」だという視点で。
(ユーザーデータの種類)
1・直感的なクリッピングにより
- ユーザーにとって、どのページが重要か
- あるページのどの部分(テキスト、画像、リンク)が重要視されたか:UIの特徴として、クリップした部分一つに対して「一つのリンク」が対応するようになっている。つまり「どのページのどこからどこまで」という小さい単位で関連付けできる
2・関連あるアイテムがNotebook1ページにまとめられるので
- あるページと関連の深いページ、さらにはクリップされた関連の深い「部分」が分かる
(検索がどう変わる?)
1・(悪質な)SEO対策
- SBMと同じく、「みんなが良いと思ったものは良いはずだ」という協調フィルタで、クリップされたページの重要度が上がる
- クリップされたテキスト中の重要語をページの検索キーワードにすることで、検索フレーズとページ内容の関連が強くなる
2・検索結果一覧に出る要約文の質が上がる
おなじように他のGoogleサービスについて書くつもりでしたが、勝手な結論出してもいけないし、もう少し勉強してからにします。書きたかったサービスは、Custom Search Engine、Sign in - Google Accounts、http://base.google.com/、Google Mapsなど。
Notebook使ってて思うのは、「Googleが欲しいデータ(と、そのためユーザーに期待する行動)」と「ユーザーが欲しい機能」が絶妙のバランスだなーということ。たとえば、「1アイテム=1クリップ+1リンク」という制約は、Googleがデータを得るためでもあるけど、ドラッグによって自由に並び替えられるようにしてユーザーにとっても情報を整理しやすいものになっている。検索履歴なんかも、プライバシー全開なことを心配しつつ、何もせずに記録されている「日々考えていたことのログ」が数年後自分にとってどんな価値を持つか考えると感謝したくなる。(同時にやはり恐ろしい)
まとめ、になってないが「Googleは検索エンジン会社」
Googleの検索技術は、キーワード検索という「狭い意味」での検索よりも、情報、モノ、人にかかわらず「持っている人と欲しい人を結びつける」という「広い」検索を志向している。その方向性がはっきりしているので、楽天などと同じEコマースの分野でも戦える。まだ始まったばかりの「検索と広告の連携」の可能性を掘り下げるほうが、横に広げて限られたパイを取り合うよりいいんじゃないか。
(以下メモ、混乱してます)
はっきり説明できるような根拠もなく「web2.0とはリアルな世界の現象や概念を0から捉えなおすこと」だと思ってます。例えば、Googleの地味なテキスト主体のAdWords(検索連動広告)を見ると、「広告」という活動がflashバナーや派手なCM、看板といった表面的なものじゃなくて「持ってる人と欲しい人を結びつける」検索機能と似ている。SBMやdigg.comがやってるのは、従来は新聞社やTV局にいる編集のひとの仕事で、「視聴者が求めている、または議論する価値があると思う」情報を選別することです。Webが目ディアになるとかいう話じゃなくて、「価値」という概念はどうやって生まれるんだっけ、ということ。その分野の権威(新聞、TV,ファッション雑誌)が「これは良い」というトップダウンなものと、ボトムアップに「皆が良いっていうから」というのがあるとする。人の集団が大きくなるとボトムアップな価値は弱くなるけど、それこそ一番民主的な部分で、それをWebが補完する。民主的だから良いとは思わないけど、主張の異なるTV新聞が100あって、バランスよく情報をプッシュしてくれるツールがあれば現状よりは良いだろう。・・中途半端に終わり