日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

大杉

32号線を大豊インター手前の大杉町まで来たところで、実家に携帯を忘れたことに気づく。もったいないので名物の大杉を見てから戻ろう。

「知られざる日本一」大杉町の大杉:周囲16.7m 樹高57m 樹齢3000年
高さ日本一は愛知県・鳳来寺の「傘杉」59.7m。人気ではやっぱり「縄文杉」かな。

美空ひばりが「日本一の歌手になれるよう」願掛けしたという逸話がある。老巨木が放つパワーが人に影響しているのは確かなようだ。美空ひばりの歌と解説が大音量でリピートされているが、木に近づくと雑音は耳に入らなくなる。木の霊力は、少なくとも美空ひばりと、ここの管理人の人生を変えた。スピーカーの音もふくめて周辺の設備は基本的に悪趣味。木の存在感は、それらを寄せ付けない。

家族連れが歩いてきた。後ろから、お母さんらしき声が聞こえる。
「まあすごい!そばに来ると・・何ていうか元気になりますね!力をもらえるっていうか・・ねえ?」
僕に話しかけてますか?・・あぁハイほんとにそうですね。この目を輝かせてはしゃぐお母さん夫婦とその兄夫婦の4人で、愛媛から来たそうだ。ダンナさんもカメラを構えてウロウロと落ち着かない。
「木に触ってみていいかな?いいだろうな、よし。」「あなたやめてよ」「かまわん、入っちゃイカンとは書いてないんだ。なぁ、あなたもどうですか?」
また僕ですか。鉄柵と木の柵が2重に囲ってありますが・・

けっきょく全員で中に入る。奥さんは「音がする」とつぶやきながら幹にほおずりする。すこし離れたところで、「お兄さんたらしっかりしてよ」という扱いの伯父さんは「うん。やっぱここだな。ここから見る姿が一番だ。そこじゃ駄目だ、近すぎる。やっぱりここだ、あの枝がこうかぶさって・・うむやはりここだ、うん」と繰り返している。「おい、こっち来なさい。ここから見るのが一番だ」誰も来ない。みな自分のことに熱中している。しょうがない、僕が行くしか。「うわー!迫力ありますねー」・・