御岳登山記(4)・携帯食考
昨日の夜遅く、アパートの隣人がバイト先でもらったという食パンとバナナ一房を持ってきてくれた。山に行く決心がつかない今日の昼まえ、冷蔵庫に入りきらないビッグサイズのバナナと食パン2斤をどう処理するか考えていた。置いといたら腐っちゃうしな。その時は、まさか登山に食パンとバナナは無いだろうと思っていた。でもスポーツする人にとってバナナが優れた食品であることは良く知られている。行動食にバナナ、というのは案外盲点かもな。甘くて疲れがとれるし消化もいい。一食分づつ清潔に個包装されているし、袋(皮)は自然に分解してゴミを出さない。(持ち帰ったけど)
なら食パンの可能性は何だろう。消化がいい凍らない。ザックのスキマに詰め込んで変形しても食味は変わらず、いや変わって面白いかもしれない。小さいころパンをわざと指でつぶして違う食感を楽しんだ記憶がある。今回は火を持っていかないのでオニギリでも買って行くつもりだったけど、出来合いの味気ないコンビニ食より、主食の食パンを中心にバリエーションを考える方が楽しそうだ。山頂で他の登山客にあいさつしたあと、岩陰に座り食パンを切ってサンドイッチを作りはじめる。具は何でもいい。体調によって糖分の多いもの、油っぽいものと変えることもできる。あとチーズの一かけらでもあれば和洋中どんな食材でもパンの間で共存できる気がする。パンとチーズのコンビには包容力がある。チーズバーガーに最低限の安心感があるのは、マズく作るのが難しそうだから。ルートを外れる勇気もなければ岩登ったりする技術もないけど、この辺で楽しめそうだ。具はなにがいいか、まずは山へ急ごう。決心も固まる。
品目 | カロリー | 値段 |
食パン2斤 | 1‚800 | 0 |
バナナ4本 | 360 | 0 |
ピーナッツバター | 550 | 100 |
アーモンドチーズ | 240 | 100 |
レーズン1パック | 400 | 100 |
沖縄産黒糖 | 500 | 300 |
ミートソース缶 | 210 | 100 |
コンビーフ缶 | 200 | 100 |
マトン焼肉缶 | 80 | 100 |
オイルサーディン缶 | 370 | 170 |
合計 | 4‚700 | 1‚100 |
19号線沿いのドラッグストアで食料を求める。缶詰を大量に買う。「ベビーチーズ」も買う。ミートソースが一番のチャレンジだった。車中ずっと考えていた計画では、食パンはパスタになり得るはずだった。方法はかなり泥臭いが、うまく行けば登山用食料の革命になる。と一人盛り上がる。(そういえばラザニヤもできるな。今気づいた、惜しい)
正午に剣が峰山頂に着く。ガスは晴れない。山頂の神社のカゲに座って、サンドイッチを作りながら天気がよくなるのを待っている。ときおり雲が切れ、太陽の輪郭が浮かぶと同時にグンと気温が上がり、肌に高山の強い紫外線を感じる。来い太陽!と勇んでTシャツ一枚になると、再び濃いガスに包まれた。今度は寒気がする。霧の水滴が半ソデの腕に膜を作って熱を奪うらしい。