日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

ここ2日間で、感銘を受けたメディア

Mars Exploration Rover
1年前、昨年の1月に着陸した火星探査車オポチュニティとスピリッツの活動をたどるムービー。ブロードバンド回線の人は、頼むから、黙ってリンク先の「LARGE」(ムービーサイズ)をクリックしてください。心の準備をせずに終わりまで観てしまったあと、自分が一体何に感動したのかしばらく分からなかった。足りない言葉で改めて書き出してみると・・

  • 実写かと思うほどCGがきれいで気持ち悪い
  • 探査車のメカが生き物のように生々しく無駄なく動いて気持ち悪い
  • エロチックですらある一つ一つの動作が、NASAの持つ最高の頭脳と技術によって計算しつくされた結果なのだと思うと、また別の気持ち悪さを感じる
  • メカの動きを細部までなめるように撮る視点の背後に、架空の重症マニアを想定して気持ち悪い
  • さえぎるものの無い火星の荒野を風が吹き抜ける。人間の都合で通信が切られるまで、孤独な旅はつづく。気持ち悪さは、不恰好なメカに感情移入している自分への違和感なのかもしれない。

人は誰も出てこないのに、人間ドラマになってる。
情報を頂いたkala-pattarさんのブログには他にも面白いものがたくさんあった。アメリカやヨーロッパの宇宙開発機関のサイトを頻繁にチェックするらしい。そういうサイトはすごい情報量を持っている。欧州宇宙機関のサイトでは、土星タイタン着陸船ホイヘンスが着陸のさい使う対地レーダーの発信音を公開している。聞いて一体何を感じろと?カール・ゼミが作りました、といえば納得しそうな作品に仕上がっている。

○TBS「完全実録!夜回り先生 若者たちを救い続けた熱血教師の13年の闘い」
自分は物分りが悪いといつも思う。いつも思っていると大変なので、すぐ型にはめて浅く「理解」しないから望みがある、というクスリを用意してある(依存性があるみたい)。
水谷先生を扱ったベストセラー本を立ち読みしたことがあった。ニュース番組でしゃべってるのを見たこともある。険しい目つきが不意にゆるんで優しい顔になる。ベラベラしゃべらず、ひとつひとつの言葉を大事に手渡すようにする。夜の街を歩けば背中に哀愁がただよい、後退する生えぎわは、救い切れなかった子供への後悔を刻む。んー名作だ、名作に好キャスト。ちがう、実話だし今でも夜回ってるんだった。型にはめるのが実に簡単で、現実味がうすれそうになる。

立ってるだけで絵になる人だから。ディレクターは楽できるな。これが高橋さんで、「ねえねえ君タチはさーモゴモゴ」とやったら技が要りますよ。水谷先生なら颯爽と若者の前に立ち「シンナーやってないか?じゃあ口開けてみろ。ホラ前歯溶けてるぞ」と実にあざやか。高橋さんが悪いんじゃなくて、内面を描くのは難しいってこと(笑)

プルルプルル・・ はい水谷です。 先生・・私なにもかもイヤになって・・(5秒)どうした? ・・きょう・・自殺未遂・・しました・・  どこで?家か?学校か? ・・学校。 そうか学校か・・それで、今日は何使った?剃刀か?カッターか?(!!) ・・ううん、首つり。 うーん。首つったらな、首、伸びちゃうぞー。(!!) ・・フフッ・・ じゃ縄持って行ったのか? ・・うん。 それで、締めたか?締めるところまで行ったのか? ・・うん。 でもそこで止めたんだな。 うん・・。 (5秒)死ぬな。(3秒)死ぬな。先生ついてる。(シーン変わる)

マンガと映画の見すぎで自分の目は腐って膜がはり始めた。出来すぎだよ先生、とか思う。夜の街でヤクザにわき腹を刺されたりとか。でも、夜回りはまだいい、笑って話すこともあるから。帰宅してから、さっきみたいなヘビーな電話とブラックなメールへの対応が果てしなく続く。TVで取り上げたのは視聴者の関心をひく種類のものだったかもしれないけど、モニタの受信リストに並ぶ危なっかしいタイトルをみれば、他も大差なさそうに思う。ビッシリ「死にたい消えたい」コピペじゃない予感がする。「先生に会えてよかった。ありがとう。さようなら」待て待て!どこへ行く?

ちゃんと物を見られるように、リハビリとして最後まで見ようと決めた。ちょっと救いがあればいいかな、とも考えた。まさか2時間の特番だとは知らなかった。ついに華やかな希望を持つことはなく、明日は来る、ということだけは伝わった。そして、先生の体は限界に来ている。リンパ腺のガンが危ないところまで進んでいて、さらに心臓近くに、これくらいの、と指で輪を作ってみせた大きな動脈瘤がある。カメラの前で発作が始まり、激痛をやりすごそうと苦しむ姿を見た。やっぱ先生それは出来すぎ・・じゃなくて僕の方が、重症に無知でお目出度(めでた)く出来てしまっているんだ。

○映画「スターシップ・トゥルーパーズ
リンク先にすばらしい評論があるので、僕はふと感じたことをずらずら書いてみます。

  • 学園青春ものの面白いところを全て。

授業中遊んでて先生に注意されるところから映画が始まる。クラスメイトに笑われ恋人らしき女が、もう○○ったら困っちゃう、恋のライバルとアメフトで戦い、ハッキリしない女がそれを見守る。ダンスパーティー、今夜パパはいないの、ぼくは父さんのオモチャじゃない、なに勘当だ出てけ!

  • そして、軍隊鬼軍曹ものの全て。

粋がる新兵は関節技で腕から骨が飛び出す、ミスすると両手を吊って本格的なムチで十回打たれる。投げナイフ訓練で、銃があるのにと疑問をはさむとナイフが飛んできて右手が串刺し、その手じゃ撃てないだろHAHA

  • 愛国心、師弟愛、なんと超能力も使える。多彩なストーリーを支える個性的な俳優たちの熱演、斬新な敵エイリアンのデザイン、ニュースサイトをブラウズしているような珍しい進行の手法。
  • 観客の心を動かす素材にあふれているのに、見終わるとすっきりサッパリ何一つ残らないのはなぜだ。
  • バグ=エイリアンには知能がある、高い知能を持ったボスがバグ達をコントロールしている、その思考をテレパシーで読みとれば優位に立てる。ついに生け捕りにしたボスに超能力者が手をあてる。目をつぶって集中する超能力者を群集が黙って見つめる。

しかし口から出たのは、文字通り「屁」のようなセリフで、椅子からずりおちそうになった。なにが嬉しいんだソルジャー。

すごく難解なのか、盛大な浪費っぷりが良いのか。前歯男は良かった。

# 『こりゃすごいね。びっくりしました。』(2005/1/24 12:25)

# あらき 『ねえ! 対地レーダーもすごいよ。ピッチが上がっていくのは、地面との距離が縮まるからだそうな。』(2005/1/24 13:41)

# 『面白い。 これだけで、プロジェクトXが何年分も作れそう。』(2005/1/24 22:55)