卒論の同士
卒論提出1ヶ月を切っても姿を見せない4年生=認知01世代、のなかで、いつも夜遅くまでガーデンで頑張っているS氏とO嬢について。卒論の同志たち。
レポートの締め切り日によっては深夜までにぎやかなガーデンも、ふだん遅くや週末はひっそりとしている。簡単なことでもズルズル引きずって時間がたち、広いガーデンに独りとなる。ドアが開錠する音がして振り返ると、鮮やかなグリーンが目に入る。実験を終えて、今日の分の整理をしにきたS氏だ。遠くから会釈してくれたのがグリーンの動きで分かる。返事をして作業をつづける。彼は、静かな深夜のほうが集中できると言っていた。
週末学生はめったにいないけど、忙しい夫妻は何もなかったように働いている。むしろ邪魔が少ないから生き生きしてるように見える。開いたドアから激しい議論がもれてくる。何事もなく深夜までいて、二人は帰り、また静かなガーデンに戻る。気配を感じて離れた(机の)島に目をやると、並んだモニターの間で黒いヘッドホンが動いた。(つづく)