日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

東北旅行・なにやってんだ自分・Part3

終わりに近づいている。明日の昼には船に乗る。現地人の岩井くんが教えてくれた場所をいくつか回って、月山越えでささやかな「頑張った思い出」を作ったら、あとは流して仙台まで。電車で。予定がずれたので自転車は難しい。このあたりは見どころが多い。出羽三山羽黒山五重塔、そしてあの即身仏が大勢いらっしゃる。今日は、ちゃんと観光する日、にして行儀よく旅を締めくくろう。

ちゃんと観光、なので関係者二人がすすめる高級枝豆を買う。しかし、飢えていたので、酒田から一駅のうちに食い尽くしてしまった。あれは傍目に見苦しかっただろう。行儀よく・・のはずが。- 清川屋・だだちゃくん

そろそろ岩井くんの地元だ。なんて感想を伝えようか、と窓の外を見ると、形のきれいな鳥海山が見える。あとは稲ばっかだ。稲の中にポツポツと一軒家が埋まっている。子供のころ社会科の教科書で見た。

鳥海山庄内平野。このシルエットはどこかで・・

向かいの少年が気になる。酒田で乗るとすぐ本を読み始め、目線が動かない、すごい集中だ。分厚い本は時刻表で、リュックの中はおそらく一眼レフのカメラ(父親に借りた)、時計を腕から外してイスに置いたのは、目線の移動だけで時刻を確認できるから。鉄道運行の要である、時刻の概念を体に刻みこまねばならない。すれ違い列車も見逃すな。逸材だ。きっと未来の鉄っちゃん界を引っ張る男になる。

中学生らしく変な妄想でもしてればいいのに。にしても今回の写真の中で会心の出来と思う。顔面が輝いている。壁紙に使ってください。かっこいい肘(ひじ)をしている。顔と不釣合いで素敵だ。

思わず隠し撮りしてしまった。再生すると時刻表じゃない。「午前・問題集」と読める。シスアドとかかな。少なくとも何かの資格だ。僕がマニアな人を好きなのは、(社会的には)意味の無いことをがんばってる姿に共感するからだと思う。彼はちがった。僕のほうは、ひとり取り残された気持ちだ。指はだだちゃ豆でベタベタで、体からはほのかに乳頭温泉の匂いがする。なにが、くびれ横断だ、バカバカしい。現実に引き戻されたら負けだ。早く、何か食わねば。