日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

東北旅行・十二湖・青池は圧倒的

青池は僕がどんな撮り方しても、あとでガッカリするのが分かっていたので写真とらず上手な人にまかせよう。鶏頭場の池


地震で川がせき止められてできた大小33の湖が、山の斜面に散らばっている。途中、王池という湖の売店に止まる。夕暮れどきで客は僕だけ。買うつもりはないので、外のクマ小屋を見に行く。暗いオリの中に溶け込んでよく見えないが、小さめのが2頭いて、空のエサ桶をいつまでもなめている。もの悲しさ。

店長らしい人が話しかけてきた。興味しんしんという優しそうなおじさん。2頭は兄弟で数年前に山で捕まえたそうだ。雑食で、驚かさなければ人を襲わない、北海道のヒグマとは違う。寒いので驚いたことを話すと、この時期に一度冷え込んで10月ごろ再び気温が上がる「小春日和」のことを教えてくれた。言葉は知ってたけど、残暑厳しい南国民には、こめられた気持ちまで分からない。

森を歩いていてキレイな池がポコッと現れるとうれしいだろうけど、こう車道のそばに整列していると面白くない。観光バスが低速ギヤでじっくりと追い越していくから、うるさいし排気でノドが痛い。道から池は見えないが、「がまの池」という案内板が立っていた。足は痛むけど、目立たない穴場かもしれないし、歩いていってみよう。谷の底にたまった水たまりか沼か。水際を4、5メートル広げた楕円形を残して森が迫り、見上げると天井部分はブナの枝が伸びて空を覆って、縦長の巨大なドームを作っている。あまりきれいでない沼だけど、木肌のきれいなブナに包まれると特別な意味を持つような気がする。嫌いになりかけてたけど、いいところを見つけた。名前がわるいよな。

ここの目玉である青池へは、自転車を降りて歩く。車道から離れた静かな森の中に、写真によってはエグいくらいの青色をした池がある。池に着くと、婦人3人が先に来ていた。すばらしい光景が目の前にあることは知っているけど、3人のおしゃべりが止むまで、心を閉ざして反対の岸に座っている。

婦人たちのひとりが言うように、この森だけ鳥の鳴き声もせずシンと静まっている。台風のせいか水面の落ち葉が多くて残念ね、急に深くなってるわ、水がきれいで深いから青くみえるのかしら、昼過ぎなら日が差してきれいでしょうね、小魚がたくさん、イワナもいるわ。って、僕がしんみり思ってる内容(それ以上)を全部しゃべるな、声に出すな。ドラマのアフレコのように自分の考えたことがスピーカーから漏れてしまう。さらに、ぬかるんだ斜面で少し滑ったのをみて、あらま落ちても助けられないわよオホホホホだって。くそー。