日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

岡崎八丁味噌列伝「まるや、カクキュー、それぞれの道」

おなじ下宿の留学生に日本の文化を知ってもらおうと、近いところで岡崎に遠足に行きました。コースは八丁味噌工場見学、岡崎城。意外に味噌が良かった。
八丁味噌の会社は2つしかないんだけど、どちらも観光に力を入れていて見学コースが充実している。
2つの会社の関係がおもしろい。2つしかないのは、「八丁町」という狭い地域にあるものだけを八丁味噌と呼ぶので、増やしようがなかっただけだと思う。
しかし、昔から続くやり方を守る「まるや」に対して、革新派の「カクキュー」は近代的(大正時代当時で)経営をすすめ、町の大部分をしめる敷地に工場を建ち並べる、好対照な2社なのでした。

「まるや」には予約してから、「カクキュー」は飛び込みで行って見学してきました。

解説でいっしょだったところ(自慢したいところ):

  1. 600年以上続いている
  2. 少年・秀吉が店に盗みに入る逸話がある
  3. 重しの石とミソの重さの比率は1対1
  4. 重しの石は震度4まで耐えられる
  5. 重しの石づみ技術の習得には10年かかる
  6. 一番てっぺんの平たい石を「まんじゅう石」と呼ぶ
  7. 豆を「蒸す」ほかの豆味噌は「ゆでる」
  8. おみやげは八丁味噌
  9. サービスは「みそ田楽」
  10. 江戸時代から残る建物がある
  11. 岡崎城から8丁離れているから八丁町、一丁は110メートル

違うところ: (上が勝ってるほう)

  1. 血統書?
  2. 秀吉伝説
    • ま: 見つかって追われる秀吉が、身代わりに石を投げ入れた井戸がある
    • カ: 秀吉と蜂須賀小六の「矢作橋の出会い」の歴史的場面で、野宿する秀吉が座っていたのは店で盗んだ「カクキュー印」の袋だった。(創作らしい。しかし、よく頑張ったと思う)
  3. デザート商品
    • カ: 味噌ソフト、味噌サンデー、味噌カステラ、味噌ジャム(試食した 味噌の使い方が大胆でよい)
    • ま: 味噌アイス
  4. 熟成年数
    • ま: 3年
    • カ: 2年
  5. 樽の容量
    • ま: ミソ4トン
    • カ: ミソ3トン
  6. 樽からの取り出し方
    • カ: オートメーション 自慢の「ミソ樽転倒機」でひっくり返す
    • ま: スコップ
  7. パック方法
    • カ: パックづめラインがあった
    • ま: よく分からないが「ひとすくい600円」コーナー(ツアー客限定)では、バスで来たおばちゃんがひしゃくですくったミソを手際よく店員がビニールにつめていた やっぱ人力か?
  8. ミソダマ(仕込みのはじめのほうでできる)の説明
    • カ: 資料館の展示に案内し、等身大の人形が作業するセットを見ながら
    • ま: タッパーに入った実物を指でこねながら(犬のフンみたいだった)
  9. 主力デザートの値段
    • カ: 250円(味噌ソフト)
    • ま: 300円(味噌アイス)
  10. 見学者待合室
    • カ: クーラーの効いた部屋で観光案内のビデオを流している
    • ま: 工場の大豆袋の横で待つ
  11. 案内の人
    • カ: 若い姉さん 最後までていねい
    • ま: 目線を合わせないおばちゃん 田楽を食わせるコーナーまで連れてきて、いなくなった
  12. お土産の量
    • カ: 約300グラム
    • ま: ちょっぴり

結論は、ライバルでありながら特色をうまく出して共存している、ということ。どちらも魅力的なお店でした。
あと、「まるや」に並んでいる酒屋が強力だった。店員のおっさんは誰にも止められない。焼酎にプレミアがつくご時勢にお怒りだった。「イモ焼酎はサツマイモと思ったら大間違い。時代は長イモですよ。」
岡崎は面白い。