日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

まだまだ大丈夫

夜大きなことはなかった。時々気持ち悪そうにツバを飲み込んでいた。兄は意識がはっきりしない時でもよくアクビをする。付き添いの姉はアクビのたびにズレるマスクを直していた。朝弟が見に行くとテープで鼻にくっつけられていた。

11時:呼吸25回/分、脈拍90回 ピクリとも動かないけど落ち着いている。おしぼりで顔をふいたけど反応がなかった。昨日まではおしぼりの動きに合わせて顔をしかめたり、口元に力を入れたりしていた。もっと熱いのにするべきだったか・・

13時:弟が酸素ボンベをとりに行く。余裕をみて5本頼んだ。重かった・・ ずっと兄のそばにいた母姉に様子を聞くと、少し笑ったように見える時があった、と教えてくれた。まともな反応をしてくれないので家族はかすかな兄の痕跡を探そうとしている。ほかに、動かない左手で血圧を測ろうと曲げたり伸ばしたりしていると右手が左手首をつかんで「とり返した」。

14時半:目が開いて少しはっきりしている。聞いても答えてはくれないが、これまでを考えると兄がしたいことのトップは「水を飲む」だろう。「水のむ?」と聞いて、反応をうかがうために吸飲みのストローの先を口へ持っていく。すると口をすぼめて飲もうとした。吸い上げることはできないが、意思を外へ出すことはできる。直接容器から口をすぼめて待っているところへ注いだ。調子よくどんどん飲むので、よかったよかったと休みを入れず体勢を直さず飲ませ続けたら、案の定ムセてしまった。セキする力が弱っているのでかなり長い間ゴホゴホやっていた。母「そこまでして飲ませることあるの?」弟の「水さえ飲めれば大丈夫」という信仰が行きすぎたようだ。

右手を浮かせて動かしていたけど分からなかった。左手も少し動いていた。

17時半:姉が導尿の管を交換した。寝ていた兄が目を開けてキョロキョロしはじめた。明かりをつけて布団をはがしているから寒いのかもしれない。姉が「寒い?」と聞くと「ああ・・」と返事があった。他にも聞いてみる。「暖房つけようか?」「ああ・・」「呼吸苦しくない?大丈夫?」「ああ」交換が終わって、顔が赤らんでいる兄の体温を測ると少し熱がある。心配するほどではない。姉が「氷枕やっとく?」と兄に聞いてみると何かいおうと口を動かした。何度か聞きなおすと、やがてはっきり「いらない」と答えた。今のところ姉以外の質問には答えないようだ。それでも昨日からは考えられない復活ぶりだ。がんばれ。

20時:兄が顔をしかめている。気持ち悪い時のように飲み込みを続けて息がしづらいようだ。酸素を増やしたりして落ち着いた。その後、信者によって2度目の水を飲まされる。今回は飲みやすい体勢をつくって量を加減したのでスムーズに飲めた。

21時:また辛そうな顔をする兄に、父が「どこか痛いの?」と聞くと「足が痛い」という。痛みは薬でなんとかなる、と素人は勝手に思っている。「呼吸が苦しい」だと難しい。むしろはっきり物を言ってくれるのでほっとした。(でもここは迷うところです。苦しいだけなら別の方法も考えないと。昨日も家族で話し合いました)弟がいくつか質問して、足のどこかじゃなく全体が痛い、首や頭は痛くない、ということだった。痛み止めの薬を入れる。落ち着いて、眠った。

そういえば、兄の言葉が聞き取りにくかった親父が「今から聞くことが正しかったら目を閉じて。」そして「痛むの?」と聞くと、ぎゅっと目をつぶった。

ありがとうございます
昨日はだいぶ心配しましたが、今日は良いようです。話(?)もしてくれました。まだまだ頑張っています。応援よろしくお願いします。(1/9(金) 21:39 荒木巧也)