日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

酸素マスク

6時半:弟が当番。正月ボケで10時まで起きないこともある僕が、ふと嫌な気配がして目が覚めると兄の様子が変だった。呼吸も心拍もすごく速い。目を見開いて苦しそうに息している。息がしやすい体勢にしたけど、なかなか収まらない。父が起きてくる。詰まったタンをやわらかくする薬を吸入させる。タンだけが原因じゃない。前から呼吸しづらいのが見て分かっていた。でも今日のは特にひどい。8時すぎだんだん落ち着いてきた。

13時:昼寝中の弟を母が呼びにきた。酸素マスクを着けることにしたと伝える。見に行くと普段吸入のために置いてある酸素ボンベにマスクをつないであった。兄は朝ほどではないけれど、速い呼吸で

心配して戻った父が昼飯のうどんを食べながら電話で酸素ボンベを3本頼んでいた。

15時:ドラえもんの続きをみる。兄は目を開けているけど意識は遠くてTVを見れる状態じゃない。静かな部屋にボンベのシューボコボコだけよりドラえもんの個性的声優陣のほうが空気が軽くなって息もしやすいだろう。

18時:兄の手が動いた。手を首へ持っていく。今日は何もしゃべっていない。何を言いたいんだろう。やはり苦しいんだろうか。手を握ると握り返した。言いたいことが分からないまま、とりあえずマスクを外して顔をおしぼりでふいた。そのうちなぜか兄の呼吸が落ち着いてきた。もしかして、とボンベを見るとほとんど空だった。兄は、息しにくいからどけろ、と言っていたわけだ。姉「あら、脈も落ち着いてる」2人で兄にさんざん謝った。ボンベが来たので弟がとりに行く。

20時:食事中に母が様子を見に行くと苦しそうな顔をしていた。熱がある。父と姉がいろいろやって熱は下がる。今日はじめて水を飲んだ。

23時半:弟は夜の散歩。

24時:呼吸26回/分、脈拍100/分。マスクははずしている。横で見ているとだんだん呼吸がゆったりしてきて眠った。今日は朝からずっと起きていたので少し休んでくれ。しばらくして開いた目がいつもより生き生きしているので水をすすめてみる。すると飲みたそうに口を動かした。よし、まだ大丈夫だ、と吸飲みで口に入れるととムセてしまった。せっかく落ち着いた息が荒くなってしまった。再び酸素を入れると落ち着く。

25時:今日は姉が当番。これからは誰か夜起きていた方がいいのかも知れない。寝る前に兄の体の向きを変えた。兄の両手をおなかの上にのせて体を少し動かし、その後体を左手側に傾けた。その時おなかの上の左手が何の抵抗もなくバタッとベッドに落ちた。左手のマヒのことは知らされていたけど、目で確かめたのはこれが初めてだ。