日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

「面会時間」しか会えない

朝、当番の姉が「水のむ?」と聞くと、はっきりと「いらん」と答えたそうだ。でも、それから処置のため体をアレコレ動かしたのに目が覚めることはなかった。(今午後1時すぎ)

14時:兄めざめる。水を欲しがってはいなかったが唇が乾いているからといって一口飲んでもらった。だんだんはっきりしてきたので「ケーキ食べるか?」と聞くとうなずく。他の家族を集合させ、好物の「ラムレーズン・アイス」を出し、アイスが寒いのでケーキを少しレンジに入れる。
はじめは家族が口までスプーンを持っていった。そのうち兄が自分でやるようになった。少し補助しながらアイスをカップ一杯とチーズケーキ20°角の内径3センチ分(分かりにくい・・)を食べた。

「ここにいちゃいかんの?」家族は、久しぶりに起きていて食欲もある兄と一緒にいたいし、話ができたらなお良いと思う。ひとりで食べにくいなら手伝うし、食べられるなら疲れる前になるだけ食べさせたい。食べ方によってはムセることがあるのでその指導も怠れない。というわけで家族4人がベッドを取り囲み、食え食え、飲め飲め、とやっていた。兄からすれば早く食べてここを出て行かなければいけないというプレッシャーになっていた。さらに、やれやれ、という顔で「・・なんで追い出そうとするん?」とも言った。最近は一日1、2時間しかまともに起きていないので、家族には貴重な時間だ。しかし逆に兄は、たまに起きると集団に囲まれて、食え食え、と急かされることになる。

首の痛みが辛そうだ。動かなければ楽なようだけど。比較的おだやかな荒木家の悩みは兄の頭のことだ。頭を洗うのと髪を切ること。しかし、少し首を曲げるだけで眉間にしわをよせて痛がる。今日も体の向きを変えていると半分寝ていた顔が急にこわばって痛みをこらえていた。

首のこともあって動きの減った兄とのコミュニケーションは、少しの会話と目の動き、それと右手のジェスチャーを通してする。でも右手のパターンは2つか3つしかないので僕にはなかなか解読できない。パタパタと横に振るのは「いらない」「もう十分」「はやくしろ」など。前方を指さすのは「水ちょうだい」「メガネ取って」「あれはなんだ」「今何時」など。(こういうのを書くのは兄に悪いですね。でもこのやりとりが楽しみでもあります。)