日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

富山3

書いてると富山面白いと思う。ガイドさんからを聞いたときは面白いどころか、心拍数が上がるくらい興奮状態だった。分かってしまった、全てが。ガイドがうますぎたのもそうだけど、薬の副作用もあったと思う。目が覚めて実はそれほどではなかったかもと思って「その2」を書くのが一月遅れた。

その日、朝から「広貫堂資料館」で漢方の勉強をする。解説員のおばさんが妙に色気のある2人だったのが気になる。漢方の効き目だろうか。漢方薬は奥が深いと思う。材料のセンスがすごすぎる。

イッカククジラのツノ(前歯らしいけど)とか、熊の胆のうとか、シカの肛門近くの「香り袋」とか。熊の胆汁を注射器で吸い出したり、ガマガエルの油汗を一匹づつコテか何かですくい取ったり。「このカエルの粘液の固まりひとつでウン百万円だそうです。何万匹というカエルを使ってます。もちろん中国産です。工場に飼育する水槽にたくさんいるのかと思ったら違うんです。天然物です。何千何万というカエルを捕まえてアブラ汗をすくって、考えるとゾッとしますね」薬屋さんもぞっとする。

化学的な反応とかホルモンとか理由はあるんだろうけど「カエルの汁が人に効く」って何なんだろう。ほんとかどうか知らないけど、「春に七草を食べて代謝の少ない冬の間に溜まった毒を出す」とか言いますね。「栄養をとる食事」その食物連鎖より大きな「生き物の相互作用」が見える気がした。よく分からん。通常の生命活動がとどこおって「病気」のときに、通常の代謝(食事)とは違うモノを取り込むことで流れを変えたりバランスを戻す。その成分は身の回りの自然のどこかに隠されている。

まとまらないまま、なんでカエルとか角が効くのか聞いてみた。それは(当時の)中国だからです。強力な中央集権体制で、権力者の不老不死への欲望のために莫大な費用と人を使って「テスト」を繰り返した。今はとても出来ないような。そのおかげで有益なものが抽出されてきた。漢方材料は今も昔も中国が一番だそうです。

寒村僻地にまで「広」く救療の志を「貫」通せよ、がテーマということで「どこにでもいる」スズメがマークの広貫堂。良い話だ。くすりの「試食」をやっている。

気付けの六神丸と消化剤の熊胆(ゆうたん)を飲んでみる。熊胆の薬効は「味」にある。壁に貼った材料と薬効パネルにも「苦味健胃剤」と書いてある。どういうこと?飲んでも効くけど、あの強烈な苦味を味わうことで唾液や各消化液が分泌されたりすることがメインの薬効らしい。そのセンスもすごいぜ中国さん。

名人伝」のように薬を飲まなくても、その苦さを想像するだけで胃液が出て効果がでるかも知れない。パプロフの犬かな、どちらかと言えば。

朝から薬の試食しか口に入れていない。飲み物は廣貫堂でプレゼントされた栄養ドリンクだけ。薬漬け。変なテンションのままガイドを聞いて金岡邸につく頃には手のひらは汗ばみ、心拍数は上がりぎみで気分が冴えていた。もっと学びたい観光するぞ、みたいな。(お断り:薬よりも空腹と睡眠不足によるものが多いと思います。やばい薬は売っていません)そのテンションを利用して送りづらいメールをいくつか送ってみたけどこれは不発だった。やっぱ平常心だな。

役所行政と民間が、いい仕組みをつくるために協力しあう。杓子定規ではなく合理的に考えてそれに定規(制度)を合わせる。その長い伝統の先に現在あるのが富山型共生の制度なのだ、と書くはずが、だいぶその間が抜けてることに気がついた。興奮してたので。

昨日の集まりで東北の災害復興も、その土地のコミュニティの成り立ちや価値観で、進み方がまったくちがうと聞いた。制度、の前に、理念・考え方、の前に、その人・その土地の人の考える傾向・価値観・歴史が、見えないけど根っこのところを決めている。

気付け薬のせいか気が大きくなって土産を買いすぎる気がする。それが薬屋の目的なのか。いつか体調不良な人がいたらカバンからこの薬袋を出してウンチクを語るのがたのしみ。