突然ですが富士山(1)
大昔のことですが、富士山に初めて登ったときの話を聞いてください。何も記録が残ってないけど、おそらく2002年なので9年も前です。
8月の末のこうくそ暑いころ。寮のAくんが富士登山に誘いにきたのを本当に「むげに」断った。ふーん、まあ楽しんできなよ、とか。当時は富士山をバカにしていた。富士登山がブームだったし、長い列に付いていくのも、単調だという登山ルートも、ご来光を大勢でありがたがるのも嫌だった。
そのAくんが帰ってきて、遠い目をしながら登山の苦労と喜びを語る。夜に歩き始め、9合目では酸欠で10分おきに登山道わきに倒れこんで呼吸を整えた。寝そべると、視界には澄んだ空気で近く見える満天の星。そして、ご来光がすべての疲れを帳消しにしてくれる。
くやしいけど前言撤回で登ることにする。山頂はとにかく寒いそうだ。A氏の話の最中は耐えられても、真夏のエアコン無し生活で、日が出て沈むまで「下界」を意識してしまう。その涼しくて虫のいない所へ行きたい。
なんで急に富士山かというと引越し中に写真が出てきた。スキャンしてみる。
山頂からの「人生最高の眺め」は、動かない写真の風景ではなく10分くらいかけて変化した。良いポイントを探して移動しながらシャッターを切った。でも10分のなかのピークの15秒間くらいは写真が撮れなかった。途中から「写真に映るわけがない」と諦めてもいた。それよりも、すごすぎて身動きできなかった。
その前後にもちょっとしたイベントがあった。今なら喜んで(読まれなくても)ブログに書くけど当時はやってなくて、セットで話を聞いてくれる人もいない。それでいまさら溜め込んでいたものを書くことに。昔話をしたがる歳になりました。