フリーターの休日
白骨温泉の古びた浴場の屋根。「入浴剤事件」のすぐあと。黒部ダムの帰りに何も知らずに寄った。
笑える写真がないか探したけどなかった。こうして休日は終わる。黒部ダム旅行はフリーターふたりで出かけダム湖のフローター(浮遊ゴミ)に共感し、上高地への国道が止まり迂回路の極めて悪路を懐かしい白いバンがほぼ2速で走りつづけた。なぜ車の写真を撮ったのか今思い出した。こんな無駄な写真はないよね。
白骨温泉に駐車場は少なかったが、事件で客は少なく路駐でも許される雰囲気だった。車を降りて写真を撮った。もう一度エンジンがかかる気がしなかった。よくがんばった、僕のライトエース。
やらなければならないことがたくさんあったのに、こうして休日は終わる。光る葉っぱは、2速の振動で疲れ果てた運転手に鮮烈だった。終わりのこないフリーターの休日の単調なグレーに、白飛びするハイライトをくれた。