日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

東京一日目

二日間の東京旅行から帰ってきた。新宿のバス乗り場に停まっていた名古屋行きに当日券で乗った。持っていたチケットのバスは30分前に出てしまった。行きは名古屋からのぞみに乗った。持っていたチケットのバスは9時間前に出発していた。往復とも遅刻はかつて無い。どうしても風呂に入りたかった。ふだん面倒で入らない日もあるのに、焦ると余計なところで几帳面になる。帰りは懐かしい友人と会っていて遅れた。遅れる予感はありつつ楽しいので放っておいた。あの余裕が友人には不気味だったろう。直らないんだ、しげやん。

東京駅

東京の路線図はあまり見たくない。あまり解決したことがない。東京駅でお台場への乗り継ぎを聞くと紙をくれた。「東京駅(5番線・山手線)→新橋駅(のりかえ)(汐留口が便利です)」紙はすごいと思った。10センチ四方の地味な紙に必要なことが全てある。まず頭に入れてポケットに突っ込んで、必要なとき取りだし、必要でなければ適切にゴミになる。紙の話は必ずITと置き換えられるか議論になる。今回は最初に人間が問題(行き先など)をはっきりさせたあと答えを紙に渡した。紙と人の歴史の勝ちかな。QAサイトのような人と協調しようとするITは「問題は何か」フェーズをちゃんと扱ってほしい。「PCの環境を全部書け」「まず検索サイトで調べてから質問しましょう」それが出来れば後は機械の仕事だろう。

新橋

新橋で「黒酢バー」という屋台で「水割り黒酢」を飲んだ。忙しく全身酸化してそうな友人に、ボトルをプレゼントしようかと思ったけど重いよな。満員電車と携帯の電磁波の街に黒酢はいいと思う。若者向けにしたのはどうかな。若い姉さんの感情のない笑顔より、熟女のやさしい「お疲れさま」の一味が加われば人気でそう。

お台場

ピープルファースト」の大会に行く。知的障がい当事者の団体で、いちおう僕も支援者の会員です。お台場の海がみえる野外会場に屋台のテントが並ぶ。「奇跡的な」活動だと思うことがある。人が思うほど健常の支援者は運営に関わっていない。でも今年で14回目の全国大会だ。奇跡だと思っているうちは自分もまだまだということ。

ドーナツ型に屋台が囲み、まん中のテントでジャズっぽい人達が演奏している。会場には5,60人いたけど、この日はザーザー雨で、参加者はノリは良いけど普通以上に気難しい。ステージ周辺はみごとにドーナツ化現象で近づくのに勇気がいった。地雷でも埋まっているみたいだ。たどりついた時ステージは終わった。「終わっていいのかな?」と不安げに話すのを見た。かっこよかったので「ぜひもう一曲だけ」と頼んでみたけど、もうその元気は尽きていた。BGMとして耳障りでなく元気づけてくれた。参加者も「BGMとして」ちゃんと楽しんでいた。演奏中のバンドの前に脚立が立ち、準備が遅れた横断幕を取り付けている。小さなテントに隠れるように、歌のない音楽はとっつきにくい。これはバックグラウンドミュージックだ。ほぼ正しい見当識だ。

多摩川

夕暮れの多摩川へ。知り合いのイベントを見に行ったのだけど雨で中止になった。ほんの小雨になっていて、もしかしてやってるかも知れない。探しに来た。大きな橋を渡って河川敷に降りる。雨の夕暮れは青くなる。淀川時代を思い出した。こういう場所はどこよりも広い空間を感じられる。対岸の堤防は自分のいる堤防と同じで遠さが測りやすい。間の水に距離感はない。その分、空白部分の広さがきわ立つのかな。橋は似た構造が連なっていて距離感を補う。予定が変わり人にも会えず淀川時代を思い出し、少しめいる。

中野

中野・坊主バーへ。難波・坊主バーがノレン分けした。中野には21時から朝4時までいた。7時間のうち2時間はただ街を歩いていた。地図を持ってきたのに店が分からない。ああいう街は初めてで手がかりすら無く店に電話した。新宿は構造上人が集まるから賑わうけど、中野は人があまり歩いていないのに大歓楽街だ。

店は混んでて落ち着かず、すぐに出た。一時間歩いたあと占い師に手相を見てもらう。まったく悩みがない客にとまどっていた。「今までの責任線は太い。しっかりと仕事してきたということ」フリーターだったのに。「次男なのに長男の相がある」それはすごいな。

味吉

妙に惹かれた古い店に入る。「555種類の日本酒あります」「今日からあなたも日本酒党」日本酒への愛に満ちたコピー。常連用のカウンター席に座ったらしくどかされた。「すみませんが、あちらの奥の方がいいんじゃないでしょうか」一見さんコーナーは棚や膨大な酒のメニュー表でカウンター内が見えない。でもわずかな四角いスキマからいろいろ話をした。近所の蔵の新酒祭りの話はうけた。「有名で無くてもそういう場で飲むのが最高。わたしらはそれができませんから」おせじだろうけど酔っぱらって気分良かった。味吉というちょっと知られた店だった。

坊主バー

0時をすぎ再び坊主バーへ。主人はロック好きでモニターに流れる「電脳警察」がかっこよかった。オープンさは難波と同じ。見知らぬ人たちと3時半まで何やら話し込んで、新宿まで歩く。東京の道はまっすぐが少なくて面白い。自分の仕事に興味をもってくれたけど、説明はヒッチハイクに続き失敗した。あなたの仕事は大変だ、質問「障がい者の自慰行為を母親が手伝っているのを父親に見られ一家心中」どう受け止めたら良いか分からない。こっちも分からない。いきなり超ヘビー級だもんな。知らないものは理解できない。ニュースは簡単に解決するライト級ではニュースにならない。少数派を隔離することで多数派にも闇の部分を作ってしまう不幸だと思う。

新宿

朝5時の歌舞伎町で性別も年齢もよく分からない中年が「お兄さん、遊ばない?」と付いてくる。新宿のカプセルは安いけど貧弱だ。良いのはどこの街にあるんだろう。