日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

三河みりん

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

一つ前の日記にも出た「amazon:食品の裏側」は、食品添加物のプロが食品の裏事情を暴露する内容だ。立ち読みしたあと隣のスーパーに行って、いろんな食品、調味料のラベルをチェックしてまわった。ひどいのもあるけど、健康ブームのおかげか「まとも」な食品も少なからずある。値札を見たほうが早い。まっとうな方法で作られたものは値段もそれなりだから。

「しょうゆ」なんか黒くてごまかし効くから色々入れてるんだろうと思うとそうでもなく、半数は本来の「大豆、小麦、塩」のみで作られている。味噌も「大豆、塩」だけというものが多い。価格の違い、そして味の違いは製造法にあるようだ。僕の好きな岡崎の八丁味噌は、完成まで3年かける。

次はミリン。ラベルには

原材料:米、雑穀、水あめ、アルコール、化学調味料、食塩

食品添加物漬けだ、とは思わない。ミリンは長年ぼくにとって謎の液体で、最初から食品添加物に近かった。フタを開けて薬品っぽい臭いがすると、食品ではない、と本能が知らせる。口に入れると体に悪そうな甘さ。かき氷のシロップをストレートで飲んだ時のような間違いブザーが頭にひびく。嫌なトロトロ感。標本としてサルの脳なんかを漬け込むと何ヶ月も腐らないイメージだ。

棚のなかで別格の扱いなのが「三河みりん」だった。値段は500mlで600円〜1000円と、みりん族では上級の「本みりん」の3倍以上で、色も濃い。原材料は「もち米、米焼酎、米麹」、ということは米だけを使っている。本来米だけから出来ていたものが、どうしてあんな薬品めいたモノになるのか。目覚めはじめた消費者のためにもう一押し、ラベルにつけられた由緒書きを読む。「昔はお酒の弱い女性などが好んで飲んだ」、そして今も「お米のリキュールとしておいしく飲めます」。飲むのか?この液体を。頭皮に塗るとかじゃなくて。

本物はイイって話だけじゃなくて、「日本の味」を代表する食品がいつのまにかゴミの寄せ集めみたいな安物に置き換わっている、自分も含まれる共同体の悲劇だと思う。誰が望んだわけでもないのに。(戦時中、ぜいたく品として不当な税率を課され、本来の製造法では採算が取れなくなったという歴史があるそうだ。定価の7割が税金とか)

700円のを一本買って、毎日寝る前に飲んで10日も経たずに空になった。甘いけど後味が軽い。軽いといってもやはり甘すぎるかも。例の熊酒をこれで薄めると、お互いの短所(苦すぎ甘すぎ)を打ち消しあうようだ。

「熊の胆酒+味醂」ある意味、究極のカクテル・レシピだと思う。

参考リンク
http://www.kokonoe.co.jp/top.html
こだわりのみりん!三州三河みりん
秘蔵「十年熟成味醂」