日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

フェラーリつづき。

2人とも場所を知らない。誘った本人も聞いて知っているだけだった。

GoodWill店内にあることを思い出し、どの店舗かといえばアノ怪しい18禁ビルのほか無いということになった。階段を使い一階づつ店内をさがす。こういうジャンルに免疫・耐性が無い2人は1階進むごとに生命力を吸い取られるようだ。階段に貼られた案内によると目当ての店は最上階らしい。しかしたどりつけるか。カンフー映画のように各階に強敵が待ち構えている。18禁の階では危うくパーティ全滅の危機だった。相方は、もう帰ろう帰りたいここに居たくない僕が甘かった、とぶつぶつ言う。目線の先には怪しいソフトが並び、上にはポスター横には等身大の立て看板が甘いメッセージを放っている。

正直ついていけない、けど例えばポスターなら全体のメッセージはキツくても、個々のパーツには普段気づかない自分の嗜好を発見することもあり侮(あなど)れない(?)。さすがエロ大国ニッポンだ。僕は水面下での己との戦いに疲れ、相方はどういうわけか自信喪失状態である。それに比べ常連客たちの幸せそうな顔といったら。僕も同類なら、ここはまさに楽園だろうな。

黙ってうつむき加減の相方を引っぱって、上へ。ガンダム・コーナーを見つけ友人を励ますため必要以上にはしゃいでみる。ここは空気が汚れていない気がする。ザクの斧型ギターをギター弾きの彼に紹介し、すこし笑顔が戻ったところでいよいよ最上階へ。しかし準備中だった。もういい帰ろう、即断しエレベーターで降りる。例の喫茶店は2階にあった。入り口の案内にちゃんと書いてある。店の前で友人が、見ただけで十分などと渋るが、ここまで来たらしょうがない。

  • それにしても、出迎えたメガネの似合う店員は衝撃だった。場に飲まれた。
  • 細かいことは実際行って見てきてください。メンバーズ・カード貸します。
  • スタンプ20個で店員と一緒にポラロイド写真を撮れます。
  • コーヒー一杯飲みに喫茶店に入る習慣がない僕としては、内容はともかく目的があるので気楽かもしれない。
  • 縦長の窓に無駄に布を使ったダレダレのカーテンを吊るすとそれなりに雰囲気が出る。東むきの窓から朝日(AM11)が射す。静かで、ふつうの喫茶店としても良いほうじゃないか。(騒げる雰囲気ではない)
  • 女性客も多い。お嬢さま、と呼ばれる女達は、仕方なく付いて来た、というポーズをしつつ案外一番喜んでいるんじゃないかと。ご主人様、はいくらなんでもギャップがありすぎて慣れない。しかし、お嬢さま、は手が届きそう(現実には届かない)。
  • それにしても、僕の正面の席でご主人様になりきる、あの男はなんなんだ。フォークと皿の角度が開きすぎ。
  • 店員を呼ぶときは鈴を鳴らす。たぶんお互い恥ずかしい。
  • ↑自分の場合そうでもない。よく行くパン屋NewsWeekでは、店員をレジの鈴で呼ぶ。店長の中年男が走ってくるか、中年婦人がゆったりと現れ、アラあなた久しぶりに見たわね、などと馴れ馴れしい。

スタッフの献身的な(?)サービスを、疑りぶかい友人は信じられない。時給がいいからだろう。本性を見抜いてやる、とパントリーでの会話に聞き耳をたてる。僕は、新人こゆずちゃん「入学」記念・抹茶ミルクをたっぷり時間をかけて飲む。また来てる、あの窓際のなりきりご主人様、私はパスよ。しかし、そんな素は見せなかった。店を出て階段を下りようとしたとき、出勤してきたスタッフとすれ違った。その後、寄り道もせず上前津の駅で別れる。地下改札に向かって歩きながら最後に二三言葉を交わした。僕の目に焼きついているのは、すれ違ったスタッフの服装だ。私服もメイドだった。

僕「自分が信じているものが人の為になるっていいな。そんな、本当の意味でのプロになりたいと思う。」

友人「仕事していて少しは世の中のことを知った気でいたけど、今日いかに自分が未熟であるか思い知らされた。オレはまだまだだ、何も分かってない。」

自分も含まれていて恐縮だけど、2人とも根はイイ奴らだと思う。