日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

"Wong Wing Tsan" ピアノ・ライブ

本当に遊んでいる場合ではないが、Wong Wing Tsan(ウォン・ウィン・ツァン)さんのピアノを聴きに名古屋へ行く。何年か前にNHK-FMで初めて聴いて気に入った。2枚CDを持っている。


サインをもらった。無理を言ってしまった・・

たまにNHKのドキュメンタリーで曲が流れている。NHKスペシャル「家族の肖像」のタイトル曲をウォンさんが弾いている。その裏話が面白かった。
一曲書き上げてディレクターに聞かせると、テーマに合わない、と突き返された。もっとドラマティックにして欲しい。ウォンさんがイメージしたのは、戦争によって離れ離れになった家族など、時代に翻弄される人々が、困難にぶつかって見せる「勇気」に光をあてること(忘れた)だった。「勇気と祈り」というタイトルで、静かだけど力強い曲を後で弾いてくれた。
「カチンと来ました(笑)。でも、私もオトナですから。お金欲しいし(笑)。」面白い人だ。CDに付いてるコメントを読んでも、世界平和とか、「1988年:瞑想を通し音楽に不思議なエネルギーを体感、ピアノソロ活動を開始する。」(年表より)とか、神がかり的な人物像しか浮かんでこない。実物は、笑いのサービス精神にあふれたエンターテイナーだった。

ディレクターは、悪気があったわけじゃなく、つらい現実の中に少しでも希望を感じさせる番組にしたかった。新しく作ったのが「運命と絆」という曲で、これはディレクターを満足させた。NHKは番組にかなり力を入れていて、半年かけて中国やそこらを取材してまわった。「家族を残して何ヶ月も帰らないディレクターたちにも、たくさん『家族の肖像』があったみたいですけど(笑)」ディレクターが取材で見たものは厳しい現実ばかりで、希望を見つけることは難しかったらしい。帰ってきて、やっぱりエンディング曲として最初の曲を使いたい、と言って来た。「一曲分しかもらってないのに(笑)」

ラストはいつも、20分とかの長い即興演奏をやる。今回のテーマは「祈り」。「感じたままでいいです。寝ちゃってもかまいません。気持ちが夢に行っても、宇宙まで行っても、好きなように。・・では、行ってきます。」どこ行くの?ピアノの前で目を閉じ、たっぷり2分くらい集中を高めて、弾き始めた。2時間半があっという間に過ぎた。

こんなハッピーな毎日でいいんだろうか。(先生には内緒です)