日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

東北旅行・旧道へ!

電車を降りた鶴岡から月山を越えて天童市山形市へ。持ってきたガイドブックの地図はアバウトで、直線距離で60キロないだろう、というところだった。直線距離なんてアテにならないものだけど、まじめに距離を数えたら気が休まらない。アマゾンからバンジーまで20キロなのはたしか。そのほかを足して残りは30キロすこし、これなら山越えしても下り始めればすぐだ。しかし、そううまくは行かなくて、標識に書かれた「山形68km」が正解でした。天童はもうすこし近いとはいえ、あと2時間で日没という状況は厳しい。

日程の最初の白神山地でも、同じようなことがあった。「西目屋68km」の青い案内板を、暗い谷間をしばらく走っていて見つけた。当時は西目屋の温泉まで25キロと計算して、入浴前の軽い運動のつもりでいたから、一瞬気が遠くなった。これもやはり地図で見た直線距離なんだけど、悪い情報はなかなか認める気になれない。未舗装の砂利道にぶつかって、リタイヤする口実を見つけた。

さて、バンジーに着いたのは標識の後で、それでも飛んだ。ますます状況はマズい。田麦俣の分かれ道では、なかなか決められずにいた。山にいくつも穴をあけて通した専用道を使って68キロということだ。等高線に沿って走る旧道はどうなる。

理由は3つ。自動車専用道路を自転車で走るのはよろしくないし、クラクション連発で半泣きだろう。楽しくない。まっくらな旧道では半笑いとなるか、どちらも良いことはない。そのかわり旧道は未知なるもので、苦しい坂を登りながら、この先に面白いことがあるかも知れないと期待する自由がある。いまは絶不調だが、1時間後の自分は案外楽しんでいるかも知れない。新道は見通しが立ちすぎる。このいい加減さは、僕の長所と短所どちらでもある。悪くすると、問題を先送りしてヘラヘラしている人になる。(←今気づいた・・思いあたるぞ)

遅くて疲れるアナログ自転車を持ってきたのは、こういう道を行くためだった。トンネルをくぐってしまえば、これまでの道のりが急に安物になる気がする。立派な目的のない短い旅に価値があるとすれば、そのへんの気持ちの持ち様だけだろう。それに登山なんかとちがって少々無理をしても舗装された道から出られない。安全は保障されつつ冒険気分が味わえる、自転車は良い遊び道具だと思う。じゃあ旧道へ。・・3つ書いたっけ?

旧道の作り方はいたってシンプルで、谷があれば底まで降りる。山はよけ、峠は登る。(1)分かれ道(2)谷底に小さな橋がかかっている(3)斜面にへばりつく集落を抜ける。観光名所の古民家があるが、それどころではない。(4)目線の高さに分かれ道が見える。あんなに登ったのに。

僕の自転車のギヤは8X3で24段もあるが、重なって使わないのを除くと12くらいになる。12のうち軽いほう5つは、よっぽどの急斜面じゃないと使わない。(ミニストップの道の坂は6番目くらい)写真のダミー峠までに、初めて1速ギヤを使った。時速2キロも出てなかった。それでダミーとはつらい。