日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

ねむいのにねむれない

9時:昨晩は兄の付き添いで父が寝た。
兄の部屋を見てきた母が「2人ともメガネかけたまま寝てる」と報告。昨日も大変だったようだ。

父「(兄が)寝てた時間は2時間くらいじゃないか。ワシは3時間くらいだ。」

10時:兄起きるがうつろな目で下を見たまま動かない。「おはよう」と言っても目線を向けない。具合が悪そうだ。足の不快を訴えないのは良いけど、訴えるだけの気力がないのも心配だ。

朝食はいらないと言う。母姉弟で囲んで具合を聞く。血圧は106の96、体温36.8度。今日はふだんより痛くも辛くもないけど、とにかく「眠い」ようだ。ここ2、3日ぐっすり寝てないからか。

11時:ぼーっと眠れないでいた兄がふと顔を上げて「とるもんとった?」と聞いた。
ひょっとして病気のことかと思って言葉につまってしまった。
(目に見える腫瘍は全部取ったって言ってたけどあれは本当か?)
「・・何をとるんだっけ?」と聞き返すと、兄「どろぼうが・・」「泥棒?(!!)」夢だった。ほっとした。

12時:うとうとしていて気が付き、キョロキョロあたりを見ている。「ここはどこ?」と聞かれるのを待っていると、兄「・・(ここは)あやしいホテル街?」。なんの夢見てんだよ。

最近の兄は起きるたびに足が動かないことを「発見」して落ち込んでいる。いまも姉に「どうしたらいい?」と聞いている。天気がいいので窓を開けてみると「外に出たい!(のに動けん!)」と言う。車椅子で動けることを思い出させようと体調悪いながら乗せてみた。イスの上では首をうなだれてしんどそうだけど、とりあえず食堂へ。

姉「なんか食べる?」
兄(首振る)『いらない』 
弟「新作のケーキ食べん?」
兄「・・・。」
姉「味見だけでもしん?」
兄「・・・。」

これです、焦げちゃいました。と出してくると弱々しく拍手してくれた。小さめに切って前に置くと意外にもがつがつと食べ始めた。目はうつろなまま。途中母が買い物から帰ってきた時も「ただいま」に反応が無かった。でもどんどん口にケーキを押し込んでいた。サンドイッチも食べた。「首が痛くて動かせないし眠いけど腹が減ってしょうがない」ということか。残してあるケーキをさげようとしたら指が机を歩いて皿を奪いにきた。「千と千尋」のカオナシみたいだと思った。

13時:日課の処置、消毒とか座薬とか。
腰の骨のところが押されて悪くなっている。

18時半:弟外出先で姉から「兄が腹減ったって待ってるから早く帰って」と電話があった。

20時半:起きて足を動かしてくれという。TV見ながらさすったり動かしたりしていると、「フセイン元大統領拘束」ニュース速報が流れた。寝ている兄に解説しながら足いじっている弟「きっと嬉しそうに記者会見するだろうな」「ホラあの嬉しそうな顔!」しかし兄はひどくなってきたらしく「フセインなんか、どうでもいい!!」と怒り出した。
あの記者会見のとき皆さん何していましたか?兄は「フセイン befor/after」を見ながら両足指の間にティッシュつめこんで大開脚してました。

翌1時:昨日兄は眠れず、ずっと足の不調を訴えていたので見ている僕も疲れてしまった。やっと寝たかなと部屋をのぞくと、暗闇でごそごそやっている。「どうした」と聞くと「水」という。水を飲むと「(ベッドを)起こして」・・あと30分は続くなあと正直タメ息がでた。なるだけ刺激せず寝てもらおう。寒くもなく痛くもなく、でも眠れないみたい。「(ベッドの)リモコンかして」落ち着く体勢を探してベッドを動かしているけど、頭がぼんやりして思い通りにいかないようだ。僕も眠くて声もかけずにベッドがゆっくり上下するのを見ていた。無力感。