日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

大人になったら○○

さっそく電話しました。祝いさんらしく劇的なストーリーでした。おめでとう。しかし親が心配するのも少し分かる。。

大人になったら○○:「フルーツヨーグルト」

浪人中、知り合いがだれもいない町で最初にしたこと。

スーパーで500mlのプレーンヨーグルトとリンゴ、バナナ、桃の缶詰、チェリーの缶詰を買う。部屋に戻り、底の深いタッパーの中で混ぜ合わせると大体1.5kgくらいになった。慣れない町で食事に行くのも億劫だったから、一日そのフルーツヨーグルトを食べ続けた。

腹いっぱい食べるのが小さいころからの夢だったとはいえ、夜中ひとりタッパーの底からスプーンでバナナをすくいながらしみじみと孤独を感じた。その日から食べたいと思うことは無くなった。

大人になったら○○:「オージービーフ」

中学?、そして反抗期?のころ。スーパーで1グラム1円の牛肉を見つけて、「すごい。これならでっかいステーキが食えるぞ」と喜んでいたら、一緒にいた親か兄弟に「そんな安物、焼いただけじゃ硬いし臭くて食べられんぞ」と言われた。しかし当時は脱メガネでコンタクトしてみたり自己主張したい年頃、無知を指摘されたことで反抗精神に火がつく。「じゃあオレが食ってやる!(声に出さずに)」派手なことはできないので、とりあえず肉を食べることで退屈な社会常識に立ち向かうことにした。オーストラリア産ステーキ肉700グラム700円を購入。(お金は出してもらった)
家に帰り肉のパックを破ると、いきなり臭かった。予想以上の強敵だと分かる。このままでは勝ち目が無いので「美味しんぼ」や「味っ子」で学んだ『豆』知識を総動員して肉の潜在能力を引き出さねば。包丁で筋を切る。すりこぎでたたく。塩コショウをすりこむ。どれも規定の3倍以上やったので原型をとどめず、ボロボロになった。
「臭いは脂に含まれる」という豆知識を運用しフライパンの余分な脂をふき取る。皿にのった700グラムはとにかくでかい。一口目はあっけないほどうまかった。楽勝と思ったのもつかの間、臭いが気になりだした。噛むたびに口いっぱいケモノの臭いが広がります。あと3分の1のところで「SKENさん@春のジンギスカン」の状態(見るのもイヤ)になった。胃が苦しい。とそこでスーパーで買っておいたウーロン茶を出した。この豆知識は「ウーロン茶は中華料理の油を流してくれる」というものだ。「流す」ってどういうこと?とひっかかりながらも、ウーロン茶は嘘のように効いた。そして700グラム食べ尽くす。
これにはまだオチが付きます。遅めの昼食としてステーキを食べた直後に親の知り合いから電話があり、夕食に連れて行ってもらえることになった。
よりによって「ステーキ専門店」だという。

やっぱり○○やな

胃は肉とウーロン茶で満ちているけれど、高そうな店に行けるとあって、家のまわりを走り回って消化をうながした。
雑居ビルの暗い階段を上ったところにあるその店は、看板も控えめで見るからに高そうだった。食欲なんて全然なくて肉など見たくもなかったはずが、気が付くと出てきたステーキ300グラムをたいらげてガーリックライスのおかわりまでしていた。
調子に乗ってビールまでごちそうになり、帰りの車中フラフラしてきたので家の手前で降りて歩くことにした。夜風に吹かれながら高級肉の味を思い出していた。1円肉などもう頭にない。

この日学んだこと:
1・やっぱ世の中ゼニである。
2・苦労して得たものより、金を積んだほうが楽でいい思いができる。
3・腹いっぱいでも、うまいものは幾らでも入る。欲に終わりはない。

この日の前半はちょっとカッコ良かった(スケール小さいけど)のに、その信念はあっけなく崩れた。でも気分は良かった。
いま思えばあれが「堕落の味」というやつだったのか。