日記など 2002年から

福祉の話題が多いです。東京都の西部・多摩地区が行動範囲です。

旅立ち(こりずに回想編)

先生が「奥さんの家はどうなんだ。マスオさん状態か?」と聞くと「マスオさんじゃないですよ、アウェーですよアウェー!」とにかく最後までアウェーを連発していた。

大学の名物先輩と飲む。見てるだけで魅力的な方なんだけど今日は様子がちがう。酒を飲むのも久しぶりでいろいろお疲れのよう。駆けつけで生中と赤ワインのグラスと白ワインのグラスを注文する。即飲み干して、次に運ばれてきたのは赤ワインのグラスと白ワインのグラスと「熱燗」のとっくり。また一気に流しこむ。先生「そんな飲み方もうやめろ。味わえ」

運ばれてくる飲みものを見ているだけで笑えてしょうがない。「お酒はなにが好きなんですか?」「ちゃんぽんです!!」終盤トイレに行って帰ってこないので見に行くと男性トイレに行列ができてる。「大丈夫ですか?」ドアをドンドン、鍵が開いて中を見ると一生懸命なにか拭いている。生涯初のソソウだそうだ。その後いなくなって先生が電話すると「店の近くのカドにいます。でもここがどこか分かりません」

自分もそんなことがあったな。先輩も歳くったけど、自分も歳くって昔語りをしたい。

調べたら2004年7月30日(金)のことです。大学にちゃんと行くようになって一度学会というものも見てみようと東京に行った。正式に参加している優等生の一団と合流して夕食は飲み屋に行く。とにかく疲れはてていた。

車は持っていたけど学生ならではの制約があった。高速は使えない。有料駐車場は使わない(学生というより田舎者の感覚)どこに行くにも「日本地図」(コストパフォーマンス高い。地図がエリア外になる不安がまったく無いので今でも現役。ナビは今も昔もない)

2泊する「長期」滞在なので有料駐車場の制約はさらに厳しくなった。払えない。「使ってはいけない」と思い込んでいた。箱根越えで疲れはて、お台場にたどり着くので疲れはて、夜間路駐できそうな場所探しに疲れはてた。

たしか「友よ」という名前の焼酎をボトルで注文した。みんな飲むだろうと思ったら誰も手をつけない。責任を感じてほとんど自分で飲んでしまった。


(これは頂きもののシソジュース)

「大丈夫ですかー?」パッと起き上がった気がする。何でもないふりをしようとした。警察だった。

いろんなことを考えたけど長くなるので、要するに、家の前に人が倒れていたので通報された。所持品は服だけ。カバンも財布も携帯もメガネもなかった。身元確認は難航したけど、明らかにただの酔っ払いなので割と早く解放された。

朝の5時くらいで、下り坂の先の空が明るくなってきた。道の左は谷で線路が走る。「切り通し」の山の上から朝の東京の街並みが見渡せた。

警官の背中が離れていく。ぼんやり景色を眺めながら考えた。ほんの10秒くらいだと思う。誰も自分を知らない街で(ここはどこ?)、何も持たず、自分が誰かもあやふやになってる(これは二日酔い)。いま生まれたばかりみたいだ。これからホームレスでもするんだろうか。体がガタガタ震える。とにかく寒かった。強近視にぼんやり溶けたような朝日を見ながら思う。「新しい人生が始まる」

誰か坂を駆けのぼってくる。警官に謝っている。K先輩じゃないか。「何やっとったんじゃー!アーーラーーキーー!!」

カバンもメガネも持ってきてくれた。帰りの電車で吐きそうになって途中下車してトイレに行ったきり行方不明になっていたらしい。超迷惑。「とりあえず一発殴らせろ!」と繰り返すじつはやさしかったK先輩。「勘弁してください。今殴られたらたぶん死にます」とぶつぶつ言う自分。殴ってもらえばよかった。

体を引きずって車に戻る。警官が言ってた「あーあ、もらしちゃったんだねー」は何のこと?漏らしてた。書けないけどいろいろ漏らしてた。駐禁も貼られてた。東京者はすぐ通報しやがると思った。自業自得だけど。

昨夜もだいぶ飲んだけど、混ぜず、危ない手前で切り上げた。少しは成長したなあ。でも早く起きるのでブログでも書いてる。